当番制で和牛繁殖 甘栗畜産センターが「京のこだわり農場」に

2023年01月23日 のニュース

 福知山市樽水の甘栗畜産センター(中川徹代表)が、京都府から「京のこだわり畜産物生産農場」に認定された。60代~70代の和牛繁殖農家3人が、当番制で管理、経営する府内では珍しい牛舎で、それぞれが愛情をたっぷり注いで飼育。牧草栽培で耕作放棄地の有効活用にも取り組み、今年度に認定の3農場のひとつに選ばれた。

 甘栗センターは、40年以上前に獣医、精肉店主、農家、公務員ら市内の「牛好き」が集まり、市農協所有の牛舎を借りて、共同経営がスタート。多い時で8人が、黒毛和牛の繁殖をしていたが、現在は元会社員と元公務員ら3人になり、当番制で世話している。

 1歳~16歳の雌の親牛14頭を飼育し、人工授精師に依頼して種付け。生まれた子牛は10カ月ほど育て、中丹家畜市場の子牛セリ市に出荷する。平日の午前と午後、土・日曜日などで担当を分け、餌やりや牛の健康チェック、牛舎の清掃などを行っているという。

 中川代表(64)は「家で牛は飼えないけれど、牛が好きで飼育したいと思う人たちが経営しているので、牛への愛は深いメンバーばかりです。1人だと365日かかりきりになりますが、当番制だと分担ができて、自分の時間を持てるのがメリット」と話す。

 飼育するなかで、最も気を遣うのは分娩。「分娩の兆候が見られてからは、気を緩めることができない」という。逆子で生まれることもあり、「母子ともに健康で無事に生まれると、心の底からホッとします。母牛には、ようやったとほめてやり、子はわらで体を拭いてねぎらいます」

 また子牛も毎日ブラッシングして、スキンシップを図るなど、愛情を注いで育てているため、「出荷のときは寂しい。出来ることなら、ずっと牛舎におらしたいけど、そうもいかないので、ごめんなと言って送り出しています」という。

 そんな愛のある飼育や衛生管理、耕作放棄地の有効活用などが認められ、こだわり農場に登録された。中川代表は「元気な子牛を生産し、買った人が喜んでもらえるように、との気持ちでやってきた。努力が認められてうれしい」と目を細める。

 こだわり農場の登録は、こだわった飼育方法で、安心・安全な畜産物の生産に取り組む府内の農場を登録するもので、2014年から実施している。今年度は、南丹市の2農場も認定され、これで合計63農場になった。

 甘栗センターでは、牛舎の共同経営ができる人を募集している。年齢は問わず、別の仕事との兼業も可能。「牛が好きな人なら、誰でも歓迎します。丁寧に指導するので、興味のある人は連絡を」と呼びかけている。

 

写真=牛に餌をやる中川代表

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