ローカル線存続に危機感 作家仲間で鉄道風景画展

2022年12月09日 のニュース

 自分たちのまちを走る鉄道ローカル線の存続に危機感を感じた、朝来市生野町在住の画家が仲間に呼びかけたところ、アニメの美術監督ら多くの作家が協力。多彩な鉄道絵画が集まった。企画展「鉄道のある風景画展」が、あさご芸術の森美術館(兵庫県朝来市多々良木)で10日から始まる。

■アニメの美術監督、工学博士らも参加■

 声をかけたのは若手の画家でサックス奏者で、イベント企画も手がけている松本知佳さん。全国で赤字ローカル線の廃線問題がニュースになり、JR播但線の沿線に住む一人として危機感が募り、「多くの人にアートを通じて鉄道へ関心を寄せてもらおう」と風景画展を企画した。

 交流のある作家たちに協力を求めたところ、テレビアニメ「鋼の錬金術師」(ハガレン)や「牙狼 炎の刻印」などの美術監督を務め、劇場版「この世界の片隅に」「おおかみこどもの雨と雪」「サマーウォーズ」などの背景を担当してきた橋本和幸さんらが協力することになった。

 ほかに、アニメ「NARUTO」「NANA」「銀の匙」などの背景を手がけ、江ノ島電鉄のイベントで作品展を開いたりしている北英明さん▽水彩画家のほか工学博士として国立天文台に勤務し、東京都立大学の教壇にも立っている岩下慎吾さん▽奈良県橿原市にアトリエを構え、オイルパステルで独自の作品を生み出している吉田泰昌さん▽あさごアートコンペティションなど様々なコンクールで賞を得ている松浪吉樹さんら、多くの作家が計約60点を出展することになった。

 松本さん自身も、重い冬空から絶え間なく雪が降る中に、ひときわ赤く鮮やかな列車を描いた「霏霏として雪が降る播但線/生野駅」や、新しい余部駅を描いたアクリル画を出展する。

■播但線や山陰線 Nゲージで再現■

 これら絵画に加え、但馬鉄道模型クラブと、ふじおミニ鉄道史料館がNゲージのジオラマ模型を特別展示。播但線・山陰線エリアも設けて、鉄道模型を走らせる。

 朝来市など主催、播但沿線活性化協議会、複線電化促進期成同盟会、両丹日日新聞社など後援。

 会期は来年1月9日までで、時間は午前10時から午後5時まで。水曜と年末年始(25日~1月5日)休館。大人500円、高校大学生300円、小中学生200円。あさご芸術の森美術館は電話079(670)4111。

  

写真上=「鋼の錬金術師」美術監督の橋本和幸さんの鉄道風景作品
写真下=雪の生野駅を描いた松本知佳さんのアクリル画

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