「額田のダシ行事」今年も中止…来年は開催されると願って、山車の組み立てと動きを確認

2022年10月05日 のニュース

 京都府福知山市夜久野町額田の「額田のダシ行事」は、新型コロナウイルス禍で3年連続の中止が決まった。全国でも非常に珍しい、2階部分が横に回転する山車(上ダシ)巡行が見ものだが、上ダシの100以上の部品は、倉庫などに置いたままの状態になっている。このため、管理する下町自治会(衣川博自治会長)は、来年に祭りが開催された際、スムーズに組み立てられるようにと、2日に組み立て作業をし、手順や車輪などの動きの確認をした。

 ダシ行事は毎年10月の第2土曜、日曜に催される。江戸時代後期から伝わる秋の豊作に感謝する祭りで、京都府、福知山市の無形民俗文化財に登録される。各自治会による野菜類で作る「つくりもん(下ダシ)」の展示や、古代信仰の名残を伝える一本木巡行など珍しい内容で、京阪神からの来場者も多い。額田区の自治会が中心になって開催する。

 上ダシは2基あり、高さが約4メートルある1基を下町自治会が所有する。2階建ての構造で、上段につくりもんの人形を飾り、下段に子どもの囃子方が乗り込んで巡行し、ところどころで提灯を下げた上段を勢いよく回転させ、夜には幻想的な光景をみせる。

 多くの柱や車輪、車軸、天井の裏板、龍や虎の飾りなどの上ダシの部品は倉庫や公民館に保管しているが、一昨年から手をつけていない状態。組み立て方の設計図はなく、先人から受け継がれており、衣川自治会長(63)が「久しぶりに組み立ててみよう」と住民に呼びかけた。

 40歳代から80歳代までの21人が集まり、地元の夜久野ふれあいプラザ駐車場の一角に足場を立てて汗だくになって作業。3時間余りで無事完成し、動かしてみたところ、車輪や2階部分とも以前と同じようにスムーズに回転した。

 衣川自治会長は「先人が築いた郷土芸能を守っていく使命がありますが、少子高齢化で囃子方を担当する小中学生も年々減ってきています。笛は中学生が吹きますが、一度も経験できていない状態です。来年こそは新型コロナが終息し、例年のように活気のある祭りができることを願っています」と話している。

 額田神社での秋祭り神事は9日、神社総代や自治会役員ら関係者のみが出席して行う予定。

写真=足場を組んで山車の組み立てをする住民

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