休業や撤退相次ぐ夜久野高原 再興へ市が対策チーム
2024年03月29日 のニュース
京都府福知山市の西の玄関口にあたる夜久野高原一帯で、商業施設などの休業や撤退が目立ち、住民の間で不安の声が広がっている。市は、地域の衰退に歯止めをかけるため、庁内にプロジェクトチームを発足して対策に乗り出した。
同町平野にある道の駅「農匠の郷やくの」は、約14万平方メートルの敷地に市直営や公設民営など運営形態が異なる10施設がある。しかし、現在営業しているのは5施設のみ。これまで市が継続的に管理者を募ってきたが、手を挙げる事業者がいない状態が続いている。
そんな中、近くの国道9号沿いで民間経営の「ドライブインやくの」が3月31日で閉業することが明らかになり、住民たちの間で「このままでは夜久野町は廃れていく一方だ」と、憂う声が広がっていた。
この状況を重く見た市は、プロジェクトチームを立ち上げて25日に初会合を持った。
チームは、夜久野支所、本庁の資産活用課、農林業振興課、エネルギー・環境戦略課、産業観光課の5部署から職員が集まり、10人ほどで構成。農匠の郷を核にして夜久野高原一帯の活性化につながる対策案などをそれぞれの視点から出し合い、活路を探っていく。プロジェクトを進めながら必要に応じて他部署からの増員も考えている。
また、これまで国の補助金の縛りで全施設の運用を条件に管理者を募集してきた農匠の郷は、事業者などからの要望が多ければ、施設の個別運用ができないかを国に対して提案することを検討していきたいとし、柔軟な対応も視野に入れる。
4月には夜久野高原の再興に向けて、地域住民との意見交流の場を持ちたいとする。
両丹日日新聞の取材に、大橋一夫市長は「以前から関係部署を中心に対策に取り組んできたが、地域としてはますます厳しい状況になってきた。市としても重要課題として受け止め、全庁をあげて取り組み、市民とともに活路を考えていきたい」と答えた。
写真(クリックで拡大)=市が再興の核とする農匠の郷は現在半分が休業中