鬼や妖怪の力をも借りて-疫病退散願った人びとの切実な思い 大江山・鬼の博物館で特別展

2020年10月20日 のニュース

 新型コロナウイルス感染症の終息を願い、鬼伝説の地・大江山、京都府福知山市大江町佛性寺の日本の鬼の交流博物館(佐藤秀樹館長)は20日から、館内で秋季特別展「鬼と疫病」を開く。疫病退散を願う京都市の祇園祭で鉾に付けられる鶏の像、疫病除けの妖怪アマビエのお札などを展示。古来、人々が疫病と向き合ってきた歴史を紹介する。12月20日まで。

 新型コロナの終息の兆しが見えない中で、昔は鬼の仕業と考えられた疫病に人々がどう対処してきたかを知ることで、この厳しい状況を乗り越えるきっかけになれば-と、企画した。

 鬼博の所蔵品や市内の神社、市外の団体などから借りた計17点を展示する。

 祇園祭の関係では、2基ある綾傘鉾の一つに鉾頭として使われる雄鶏像(複製品)が出展される。本物は鉾の巡行の際に取り付けられる。

 山鉾の背面を飾る織物の「見送」も展示。イタリア・ローマ郊外にあるルネサンス様式の噴水が染められている。

 地元からは、1656年(明暦2年)に、江戸幕府四代将軍・徳川家綱の疱瘡(ほうそう)平癒を祈願して元伊勢内宮皇大神社に建てられた社殿の棟札、疫病や病魔を払う鬼神・鍾馗(しょうき)の像を展示。

 また妖怪文化研究家、河野隼也さん(京都市)が作ったアマビエのお札なども並ぶ。

 佐藤館長は「有史以来、人類が悩まされてきた目に見えない疫病は、原因が明かされるまで鬼の仕業とも考えられていたようです。一方で、人知を越えた力を持つ鬼や鬼神の力をも借りて流り病を封じようとしていました。今も昔も変わらない人びとの疫病退散の願いを、展示を通じて感じていただければありがたい」と言う。

 開館時間は午前9時から午後5時(入館は同4時30分)まで。月曜(祝日の場合は翌日)休館。
 
 
写真=祇園祭の関連品など17点を展示する

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