ワクチン接種に保冷庫 市がエスペックに感謝状

2023年12月27日 のニュース

 新型コロナワクチンの保管に必要な超低温小型保冷庫の無償貸し出しを受けていた京都府福知山市は、貸し出し元の環境試験器メーカー、エスペック(本社・大阪市、荒田知社長)に感謝状を贈った。市庁舎で22日に贈呈式が開かれ、大橋一夫市長が荒田社長へ感謝を伝えた。

 エスペックは長田野工業団地の福知山工場で超低温小型保冷庫を生産している。温度をマイナス70度から150度まで調節できる性能があり、各企業の機械部品の耐久テストなどで使用されているが、ワクチンの保管に最適な温度設定が出来るよう、改良を加えて無償貸し出しに取り組んだ。

 ワクチンは超低温での保管が必要で、各自治体が保管を担う必要があった。2021年の新型コロナワクチン接種開始に向け、機材の確保などで市職員が混乱する中、そうした動きを察知した同社が「社会貢献になれば」と、市へ超低温小型保冷庫の提供について協力を申し出た。

 福知山以外からも希望を募り、これまでに全国の45自治体へ延べ77台の超低温小型保冷庫と定温輸送保冷庫を無償で貸し出した。福知山市は21年4月21日から23年12月13日まで、容量64リットルの超小型低温保冷庫2台を借り、医療機関へワクチンを配送する時に必要な保冷剤の凍結、ワクチンの保管に使用してきた。

 17日までが実施期間だった集団接種の終わりが見えたこと、個別接種も縮小傾向にあることなどを踏まえ、13日に返却した。

 式には荒田社長、福知山工場管理部の佐竹由巳子部長、開発本部開発部事業開発グループの岡田俊介主事が出席。大橋市長は「ワクチンの保管は非常に気を使う問題でした。無償貸与は大変ありがたく、安心安全で円滑な接種につなげられました。ありがとうございます」と伝え、感謝状を手渡した。

 接種関連業務を担当する市健康医療課の職員が、超低温小型保冷庫が稼働していた様子をスライドで紹介し、「保管用の機材が確実に確保できるか分からず不安があった初期に声をかけて頂き、すごく安心して業務に取り組めました。感謝しています」と述べた。

 荒田社長は「ほとんど福知山、綾部両市民で作った製品です。『役に立った』という言葉を聞き、たいへんうれしく思います。この話を社内でも共有し、次の社会貢献につなげていきたいです」と伝えた。

 

写真(クリックで拡大)上から
・活躍した超低温小型保冷庫
・大橋市長(右)が荒田社長に感謝状を贈った

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