鴨すきの人気店が明治の旧家を修復して「とりなご久兵衛」開店
2020年06月18日 のニュース

鳥料理専門の飲食店を経営する京都府福知山市の有限会社鳥名子(足立直美社長)は、下柳町の旧片岡家住宅を修復・復元し、「とりなご久兵衛」をこのほどオープンした。明治期に建てられた母屋など、文化的価値の高い建物で名物の鴨すきなどを楽しめる。
中ノの本店、東京の恵比寿店、三軒茶屋店、茨城のひたちなか店、福知山の柳町店に次ぐ出店。
旧片岡家住宅は、京都銀行の前身の一つ治久銀行を創設した呉服商、片岡久兵衛の店舗兼住宅。明治、大正、昭和の各時代に建てられた木造の母屋、離れなど3棟がある。
向かいの自宅から、老朽化する状況を見ていた足立社長(71)が、「このまま朽ちさせるのは、もったいない」と、空き家だった旧片岡家住宅を購入。ここに店を出すことに決め、1年前から修復に取りかかった。
国の文化財登録を目指していて、各時代の建築様式など文化的価値を残した。4月25日に開店予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期に。今月1日になって、ようやくオープンすることができた。
部屋数は大小19室あり、団体客も利用可能。メニューは鴨すきのほか、焼き鳥や空揚げなど鳥料理が中心で、地元食材を使った料理を提供。ランチでは、油淋鶏や酢鶏も出している。
営業時間はランチが午前11時~午後2時、ディナーが午後5時~11時。年末年始を除き無休で営業する。足立社長は「古風な空間で、手入れされた庭を眺めながら、ゆっくり過ごしてもらえれば」と話している。
■広小路商店街の土産店を併設■
また広小路商店街振興組合の土産物が並ぶ販売店「広小路ミ・アーゲ」も、入り口すぐのレジ付近に併設した。福知山城のワンポイントが入ったタンブラー、明智光秀が描かれたマスキングテープなどを販売している。
写真=旧片岡家住宅を活用したとりなご久兵衛と足立社長