エクアドルの有機豆でカフェ 元青年海外協力隊員夫婦

2024年09月05日 のニュース

 元青年海外協力隊の女性とエクアドル人男性の若い夫婦が7日、京都府福知山市内記五丁目のガラス店跡でカフェ「コピートス デ ニエベ」をオープンさせる。自家焙煎したこだわりのエクアドル産オーガニック(有機栽培)コーヒーを提供する。

 綾部市出身の波多野愛子さん(31)とホルヘ・エンリケ・ゴメス・ベナルカサルさん(27)。2人の出会いは2019年。波多野さんが、JICA青年海外協力隊でエクアドル共和国の山岳地帯にあるコーヒー生産者協会に配属され、ホルヘさんはそこで働いていた。

 生産者協会は、エクアドル北部の標高1200メートル以上の高地でアラビカコーヒーの無農薬栽培、焙煎、公正取引を支援している。2人によると、約120人の生産者が加盟していて、種から一杯のコーヒーになるまで全て手作業で丁寧に作られているという。

 そのコーヒー豆は「高品質でおいしいが、多くは周辺地域で消費されていて、先進国では認知度が低い」といい、波多野さんは販路拡大に向けて、マーケティング業務に従事。商品パッケージのデザインやホームページのリニューアルなどにも携わった。

 現地で初めての友人となったのが、協会の職員として、生産者への栽培指導や焙煎士の補助をしていたホルヘさん。コロナ禍で派遣中止となって波多野さんは一時帰国したが、22年4月に再びエクアドルに派遣され、その後2人は互いに惹かれ合い夫婦となった。

 「農場を回るなかで、ほとんどの生産者と知り合いになった。その人たちの収益増や新たな販路拡大になれば」と波多野さん。「府北部のみなさんに飲んでもらい、このコーヒーを広めたい」と夫婦でカフェをすると決めて、協力隊の任期を終えて今春帰国、縁あって福知山で物件を見つけた。

■地域に根差し、温かい店に■

 地域に根差した温かな雰囲気の店をめざし、ガラス店跡を木目調の落ち着いた雰囲気の内装に改修。カフェでは、「柑橘類のような爽やかな酸味、チョコレートのような深い甘み、部屋中に広がる強い香りが特徴」というコーヒー豆を、ホルヘさんが豆本来の味や風味を最大限に引き出すように自家焙煎する。

 波多野さんは「おじいちゃん、おばあちゃん、カップル、家族など地元の方に来てもらいたいと頑張っていますので、ぜひお越しください。一度でいいからホルへのコーヒーを飲んでみてほしい」と話す。

 エクアドルの公用語はスペイン語で、ホルヘさんは日本語を勉強中。「もう少し日本語がしゃべれるようになったら、福知山のみなさんと交流を深め、コーヒーに関する教室を開きたい」と意欲を燃やす。

 店はカウンターとテーブルで計17席ある。ドリップコーヒーやキャロットケーキなどの焼き菓子、エクアドルの蒸しパンなどをカフェで提供するほか、コーヒー豆やアルパカのぬいぐるみなどエクアドル雑貨、ガラスコップも販売する。ゆくゆくはランチでエクアドルの郷土料理を出したいという。

 営業時間は午前7時30分~同11時、午後1時~同6時。不定休。周辺に6台分の駐車場あり。問い合わせは同店、携帯電話070・4702・7130まで。

 

写真(クリックで拡大)
 ・自家焙煎したエクアドル産のコーヒー豆を持つホルヘさん(右)とモーニングや焼き菓子を担当する波多野さん
 ・ガラス店跡を改修したカフェ外観

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