宣告に絶望感、失明で困難直面 支えられて前向きに-田村さん、児童に語る

2020年02月03日 のニュース

 京都府福知山市猪野々の金谷小学校(赤井暁子校長)で、4年生を対象に人権学習が1月28日にあった。講師に迎えられた市視覚障害者協会の田村敏明会長(75)は、将来失明すると告げられた際の絶望感を振り返る一方、福祉制度が年々充実し、ガイドヘルパーやボランティアら多くの人の支援で、前向きな気持ちで暮らせていることに感謝し、声かけなどの協力も呼びかけた。

 田村会長は元夜久野町議会議員で、議会活動で議案書など文書を読む機会が多かった。36歳のときに眼鏡をつくるため眼科を受診すると、「難病です。中途失明する可能性が高いでしょう」との宣告。「頭をハンマーで殴られたようでした」と述懐した。

 失明すると多くの困難に直面した。しかし、「同じ悩みを抱える人たちの団体があり、ボランティアもいて、少しずつ前向きな気持ちになれた。見えなくなってもやればできることがあると自信が少しずつ芽生えました」と話した。

 視覚障害者は、いかに健常者と同じように生活できるかが大きな課題となる。人は目から8割の情報を得ており、困る点として、出かけること▽情報収集▽人とのコミュニケーション-の3点を挙げた。

 「出かける時は世界共通の道具、白杖を手に前を探りながらゆっくり歩きます。盲導犬を利用する方法もありますが、育成に1匹約250万円もかかります。しかも、実際に活躍できるのは訓練した犬の3割ほど。今はガイドヘルパーが増えて随分助かっています」と喜びを伝えた。

 情報収集も科学技術が進んで便利になった。「図書館に行くと点字の本だけでなく、CD図書も充実してきました。パソコンの画面の内容を読み上げるソフトが開発され、ホームページの内容が分かり、メールも打てます」と紹介し、持ち込んだパソコンで文章を打ち込んでみせた。

 コミュニケーションの面は、健常者への協力を呼びかけた。「街中で声をかけられても誰だか分からないことが多い。名前を教えてほしい」とし、さらに「年々減っているが、視覚障害者の命綱となる点字の上には自転車や物を置かないでほしい。駅でプラットホームから転落する寸前に助けられたこともある」と続けた。

 「目が見えない人が困っている姿を見かけたときは、『何かお手伝いしましょうか』と声をかけてほしい。ただ本人が希望しない場合はそっとしておいてください」と締めくくった。

 熱心に話を聞いていた児童の一人、寺田拓海君(10)は「できることを考えて前向きに生きることを、大切にされていることが分かった。目の見えない人がいれば手伝いをしたい。協力できることを伝えていきたい」と話していた。

 視覚障害者の支援団体、福知山点友会の溝尻育子さんに教わり、点字を打つ練習もした。

 
写真=田村会長から音声パソコンについて教わる児童

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