野家出身の神農巌さん、兵庫陶芸美術館で招聘展

2019年12月27日 のニュース

 京都府福知山市野家出身の陶芸家で紫綬褒章受章者、神農巌さん=滋賀県在住=の作品展が、兵庫陶芸美術館(兵庫県丹波篠山市今田町上立杭)で1月2日に開幕する。独自の技法「堆磁(ついじ)」による洗練された青磁・白磁が並ぶ。

 若い作り手たちに刺激を与え、多くの人に深く陶芸に親しんでもらうため、美術館が第14回著名作家招聘事業として開く。

 神農さんは1957年生まれ。大学で経済学を学んでいたが、在学中に京都国立博物館で展示されていた中国の青磁に魅せられ、卒業後に現・京都府立陶工高等技術専門校などで本格的に陶芸を学んだ。87年には大津市の、琵琶湖を見下ろす高台に鳳鳴窯を構えて独立。磁土を泥状にした泥漿を筆で何度も塗り重ねて線文を器に浮かび上がらせる堆磁技法を創出した。

 堆磁が単なる表面装飾にとどまることなく、「造形として一体となる」よう意識して制作に励み、作品は各方面で評価され、2012年に紫綬褒章を受けた。滋賀県無形文化財保持者。日本工芸会理事。京都市立芸術大学非常勤講師などとして、後進の育成にも力を入れている。


■自然の水、生命、その根源は古里■

 作品は自然の水、生命をテーマとしており、その根源は古里にある、と神農さんは話す。「大正小学校でのフィールド。由良川で遊んだこと。これらが私の感性の基になっています」ともいい、福知山を大切に思っている。福知山市展審査員。

 「神農巌展-堆磁」は2月16日まで。初期から最近の作品まで35点を出品する。時間は午前10時から午後6時までで、月曜休館(祝日の場合は翌日)。

 1月18日午前11時から本人による展示解説(申し込み不要)、午後1時30分からスライドレクチャー(100人、事前申し込み制)。1月13日と2月2、16日には午前11時から学芸員によるギャラリートークがある。

 開館15周年特別展「TANBA NOW+2020」同時開催。丹波篠山市内の作家88人の作品を展示する。1月2日から4日まで新春特典として各日先着100人に丹波焼小皿プレゼント。

 一般600円、大学生500円、高校生以下無料。電話079(597)3961。
 
 
写真上=神農巌さん(写真はいずれも山崎兼慈さん)
写真中・下=独自の技法「堆磁」による作品

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