「仲間と明るく前向きに生きる」障害を持ってから実感 視覚障害者協会・田村会長が講演
2019年10月14日 のニュース
福知山市視覚障害者協会の田村敏明会長が11日、京都府福知山市駅前町の市民交流プラザ3階で講演した。病気を患い視力を無くした経験を振り返りながら、仲間とともに、明るく前向きに生きる大切さを、来場者たちに伝えた。
田村会長は、個別相談、福祉機器の展示などがあった府主催の視覚相談会の最後に登壇。「さまざまなサポートがあれば、見えなくなってもできることはたくさんある」を題に話した。
旧夜久野町議会議員でもあった田村会長は、「高校の頃に父親を亡くしてから、進学をせずに就職してひたすら突き進んできました」と生い立ちを紹介。
36歳の時にメガネを作ろうと眼科を受診した時に初めて病気が発覚し、将来失明すると宣告を受けたことを話し、「頭をハンマーで殴られたようなショックでした」と振り返った。
30代後半にはかなり視力が落ち、車の運転もやめたが「そのころ、役場のいろいろな支援、同じ悩みを共有する多くの団体、支援ボランティアがあることを知りました」と、仲間や支援があることを心強く感じたエピソードを伝えた。
また、40代になってからの議員生活は「議案や決算書といった膨大な行政資料を、家族に全て読んでもらっていました。家族の協力、理解があってこそ出来たことです」と感謝し、「障害を持ってから、仲間を作ることと、前向きに生きることの大切さを実感しました」と話した。
また、独りぼっちの障害者を無くそうと、居場所やネットワークづくりに取り組んでいることを伝えて、会への参加も呼びかけていた。
写真=講演をする田村会長