子ども太鼓踊り奉納、少子化で150年の伝統に幕下ろす 「これで見納め」万感の思い 

2019年10月15日 のニュース

 京都府福知山市夜久野町井田自治会(市塲理一自治会長、54世帯)の賀茂神社秋祭りで奉納される子ども太鼓踊りが、11日の宵宮で約150年の歴史に幕を閉じた。集まった氏子らは「これで見納めかと思うと寂しい」と万感の思いで見つめた。12日の本宮では太鼓踊りとともに大御輿が地域一帯で最後の巡行をする予定だったが、台風19号の接近で中止された。

 賀茂神社は、同自治会の集落の裏山高台にある。五穀豊穣を祈る秋祭りの呼び物のひとつが農作業の工程を表す子ども太鼓踊り。明治初期に始まり、地元の青年で「まつり保存会」(岶尾淳会長)を組織し、代々受け継いできた。

 鉢巻きと法被姿、白い足袋をはき、絹織物のどんすを下げた地元の小学生の踊り子7人で構成。手にしたばちで代わるがわる和太鼓をたたきながら、春の田ごしらえから、田植え、稲刈りまで稲作の一連の流れを輪になって演じる。

 写真=賀茂神社境内で最後の太鼓踊りを奉納する子どもたち

児童数が減り継続は難しい

 当初は男児の高学年のみが踊り手を務めていたが、少子化で年々小学生が減ったため、低学年も加わるようになり、さらに女児も対象にした。今年の踊り手は2年生から6年生までで、このうち6年生が3人。慣習などから7人を欠くと奉納できず、児童数の推移から「今後継続は難しい」と判断し、今年が最後の舞台となった。

 宵宮では大林八十彦宮司が神事のあと「みなさんの心を和ませる子どもたちの舞台を、拍手で迎えて見学してください」と告げ、子どもたちが1カ月近く前から練習を重ねた太鼓踊りを奉納した。

 奉納が終わると、見守る氏子から「アンコール」の声が起こり、これに応え子こどもたちは再度披露。夜久野小6年生の米澤陽喜君(11)は「覚えるのが難しく、練習もしんどかった。来年からなくなるのが残念ですが、最後の奉納をできてうれしい」と話した。

 さらに、予定はしていなかったが、代々奉納を続けてきた中学生や大人も次々に境内に輪をつくり、昔を懐かしみながら踊った。「明治から令和まで5つの時代にわたり続いた伝統行事。時代の流れではありますが、この伝統を次の世代に伝えられないのは残念です。でも秋祭りの神事は来年以降も続きます。築かれた絆は守っていきたい」と岶尾会長(42)は静かに語った。

 12日の本宮では、明治初期に造られ、修繕を重ねてきた重さ約500キロの大御輿を若手24人が担ぎ、約3キロのコースを巡行し、子どもたちも辻々で、太鼓踊りを披露する予定だったが、中止となった。

写真=昭和11年ごろに旧下夜久野村小学校の新築祝いで太鼓踊りと御輿巡行をした際の写真(荻野成生さん所蔵)

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