「京ほたる」を京都・福知山のブランド米に 稲刈り最盛期
2019年10月01日 のニュース
希少で市場価値が高い水稲品種「いのちの壱」の栽培に取り組む京都府福知山市の稲作グループ「京ほたる会」(芦田正輝代表)が、収穫最盛期を迎えている。今年3月に「京ほたる」で商標登録。大阪、京都の料亭や食品店への販路開拓も実を結び、福知山のブランド米確立への歩みを進めている。
いのちの壱は、2000年にコシヒカリの田で発見された突然変異の新品種。岐阜県下呂市発祥のブランド米「龍の瞳」の名で知られる。コシヒカリの1・5倍ほどの大きさの粒で、甘みや粘りに優れ、高値で取引されている。
減反制度廃止による米価下落を見据えて、新たな米作りを模索していた芦田代表が、いのちの壱にほれ込み、品種発見者の同意をもらって16年から福知山で栽培を始めた。福知山のブランド米にと、昨年に組織化して農家が集まっている。
今年は5人が昨年より10アール多い約75アールで栽培した。水がきれいなことなどの栽培条件があり、育て方が独特でベテラン農家も面食らう。今年初挑戦した市寺の塩見誠さん(60)は「まったくさわったことがない品種で、神経を使ったけれど楽しかった。取引が好結果につながればうれしい」と話し、ずしりと実った稲をコンバインで刈り取った。
「京ほたる」は今年9月、地元ならではの魅力ある特産品を福知山市が認定する「ふくちやまのエエもん」に選ばれている。
来年は作付面積150アールをめざす。芦田代表(71)は「今年から銘柄表示ができ、やっと表舞台に出ることになりました。作付面積を増やし、栽培技術の統一化もして、京都、福知山のブランド米にしていきたい」と意気込む。
写真=ずしりと実った大粒の「いのちの壱」を収穫