光秀生涯の激戦地を解説 強敵直正や史跡、悲話を丹波市観光協会が冊子に

2019年09月07日 のニュース

 光秀生涯の激戦地と強敵を紹介する「明智光秀と赤井(荻野)直正ゆかりの地」ガイドブックが完成した。兵庫県丹波市の市観光協会が郷土史家らの協力を得て作ったもので、有名な史跡にとどまらず、隠れた重要ポイントや悲話なども盛り込んでいる。限定1千部で1冊1千円(税別)。

 2020年のNHK大河ドラマが明智光秀を主人公にした「麒麟がくる」に決まってすぐ、観光協会で「ゆかりの地マップ」作成を始め、18年中に発行をした。この際に市観光ボランティアガイド協議会や郷土史研究をしている各グループが協力して、たくさんの資料が寄せられた。1枚のマップでは紹介し切れない質・量となったため、「ならば冊子を作ろう」と制作委員会が組織され、「機運盛り上げのため、大河放映の前に」と急ぎ編集作業が進められてきた。

 完成したガイドブックはB5判62ページ。春日、柏原など旧町ごとにスポット、エピソードをまとめて掲載している。

 丹波から但馬にまで勢力を広め、一度は光秀を破り敗退させた「丹波の赤鬼」こと赤井直正と、難攻不落の黒井城。光秀の重臣・斉藤利三の娘・福(後の春日局)が生まれた興禅寺。光秀が本陣を置いた柏原八幡宮(柏原の厄神さん)など、有名な拠点はともすれば解説が長文になりがちだが、要点を絞り、だれが読んでも分かりやすい内容にまとめあげた。

 攻められた土地とあって、焼き討ちに遭った寺院、城跡が多いが、戦火を免れた円通寺や、光秀を祭り今も手入れがされている稲畑御霊神社(祠)など意外なスポットも取り上げて、光秀とのかかわりを紹介。なぜ黒井城攻めが難しかったのかといった解説も加えている。

 厳しい警戒網の中を伝令に出て肩から切られ絶命した侍大将が、いつも巡見に来ていた思いやりある武将だったことから村人たちが墓碑を建て回向を続け、いつしか「肩こりがとれる」とうわさになり、肩切り地蔵と呼ばれるようになった場所など、戦にまつわる秘話、悲話も載せ、歴史ファン以外の人でも丹波市めぐりに興味をひかせる内容となった。

 販売場所は、かいばら観光案内所(柏原町柏原)▽あおがき観光案内所(青垣町西芦田)▽道の駅丹波おばあちゃんの里(春日町七日市)。郵送希望の場合は送料270円(2冊の場合は350円)。問い合わせは観光協会、電話0795(72)2340。
 

 
写真上=郷土史家やボランティアガイドたちの協力で完成した冊子
写真下=光秀丹波攻めを攻守双方からたどるガイドブックになっている

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