地域とともに歩んだ歴史 三和の2小が24日に閉校式
2019年03月17日 のニュース

京都府福知山市三和町千束に4月から小中一貫校、三和学園が開校する。これに伴い、千束の細見小学校(井上須美子校長、51人)と菟原中の菟原小学校(奥田正雄校長、34人)が閉校となる。両校とも24日に閉校式をして、細見は129年、菟原は145年の長い歴史に幕を下ろす。
■かつては天文教室も 細見小■
細見小は、細見地域にあった教育場がまとまり、1889年に千束向野に新校舎を設立。学校名を細見尋常小学校としてスタートした。92年には中出に分校が開校し、周辺の児童たちが通った。
1947年に村立細見小学校に校名が変わり、56年に町立となった。2001年には分校が本校に統合された。06年の市町村合併で、市立細見小学校へと改名。15年には下川合の旧川合小が統合された。記録が残る卒業証書台帳によると、卒業生は今年度で4795人になる。
また、近年では使用されなくなったが、1973年に今の本館が完成した時に、2階に天文教室が備えられた。ドーム型の天井にプラネタリウムの投影機も設置され、児童たちが学校で本格的な理科の授業を受けていたという。
児童数は33年の548人が最大だった。しかし、その後は徐々に減少を続け、2008年ごろには100人を下回るようになった。

■注目集めた六角校舎 菟原小■
菟原小は1873年に寺院などを借りて「学道舎」として開校し、翌年に校舎が完成した。友渕、加用、大身に分教場などを設立したが、1899年に菟原尋常小学校として一本化した。
1947年に村立菟原小学校と校名を改め、58年には全校児童数が419人でピークを迎えた。これに伴い、62年に六角形の教室を組み合わせた「六角校舎」を新築。町内初の鉄筋コンクリート造の2階建てで、その特徴的な形も相まって多方面から注目を集めたという。
95年に現在まで残る新校舎、体育館、プールの全面改築が完了。老朽化が進んでいた六角校舎は、惜しまれながら取り壊された。新校舎は、赤い屋根が特徴的で、時計塔には盤面が光る時計などもあり、地域住民らに親しまれている。
卒業生名簿の記録では、卒業生は今年度を含めて4503人。児童数が400人を超えたころがあったが、減少が止まらず、99年ごろから100人以下の状態が続いた。
細見、菟原両地域の児童数減少を受け、市教委が小中一貫校の開校を提案していたこともあり、2015年から菟原小PTAが小中一貫校開校も含めた協議を重ねた。
この動きが細見小、三和中学校のPTAへと広がり、翌年には地域住民組織の三和地域協議会も学校統合問題検討部会を設置。地域住民への説明会を開くなど、町全体の問題として話し合いを進めた。11月に意見がまとまり、12月に市、市教委へ小中一貫校開校の要望書を提出した。
その後も、開校に向けた設立準備委員会を立ち上げ、子どもたちがより良い教育環境で学べるよう準備をしてきた。
写真=細見小学校
写真=菟原小学校