バール クン グラーノ サリ 平田 一樹 さん
料理をするなら、まず歴史を知る
ボッカ イン ボッカの面接の時に出されたエスプレッソに衝撃を受けました。そこは食べるもの触れるもの全てにイタリアの本物を感じられる店で、一気にはまりました。師匠の宮井シェフが言われたのが「イタリア料理をするなら、まずイタリアの歴史を勉強しなさい」でした。イタリアのことを知り、さらにおもしろくなりました。
古代ローマ時代から食べられている料理がある一方で、私は1970年から80年代後半にかけての料理が好きです。イタリア料理は貧乏な庶民が「おいしい食事がしたい」と知恵を絞って生まれた「クチーナ ポーヴェラ(貧乏人の料理)」と言われます。家庭料理が発祥なので、家庭の数だけ味がある。つまり正解がありません。食材を前に自分はイタリア人だと思い込み、調理法を思案していると飽きません。
イタリアにないものは作りません。地元で手に入る新鮮な魚や野菜、イタリアで完成されているオリーブオイル、チーズ、生ハム、パンチェッタなどは本場のものを使います。昔からイタリア人に愛されてきているイタリア料理をみなさんに食べてもらいたいという思いでやっています。
匠プロフィール
1973年、奈良県御所市生まれ。24歳で料理に興味を持ち地元の本格イタリア料理店「ボッカ イン ボッカ ウノ」(閉店)に入る。30歳を前にして海・山・川の食材を求めて福知山市大江町のレストランオズに移り、4代目シェフとして活躍。2010年、37歳で現在の店を開く。
住所/福知山市岩井新町78
☎0773-24-5067
2020年02月21日 16:00