トラットリア アル ラグー 兼井 昌二 さん
伝統の味を変えず受け継ぐ
コーヒー好きで、いつか仕事に出来たらと思っていました。大きな転機は1999年。初めてのイタリアで飲んだバール(コーヒー専門店)のエスプレッソに衝撃を受けたのです。専用のマシンを使って短時間(20~30秒以内)で抽出するイタリア発祥のエスプレッソは、味は深く、香りは強く豊潤、飲み終えた後の余韻は、これ以上はもう無いというすばらしいものでした。現地では1日何杯も飲むそうです。日本でも本物を飲んでもらおうと思ったのが、専門店を始めるきっかけでした。
その後、度々イタリアを訪れるうちに、スローフードの原点ともいえるマンマ(お母さん)の味に魅せられ、エスプレッソと料理が楽しめる店をやりたいと思うように。今の店は篠山牛、猪肉、新鮮野菜など地元の食材を使い、マンマの料理のようにシンプルな調理法にこだわった料理を出しています。
家を探していた時、篠山で最初に案内されたのがこの町家でした。江戸時代末期に建築されたといい、一目で気に入りました。長年、変えることなく受け継がれてきた姿は美しく、憧れを抱いたのです。私達の店も、そのような店でありたいと思います。 (談)
匠プロフィール
1965年、神戸市生まれ。36歳で脱サラして神戸・岡本でエスプレッソ専門店を開く。10年後、46歳で丹波篠山市の東部、国の伝統的建造物群保存地区に選定される福住地区の古民家をリノベーションし現在の店を構える。
住所/丹波篠山市福住384
TEL079‐506-3070
2019年09月27日 16:00