出石ハム工房但馬の郷 植野仁志さん

手間をかけ時間をかけて作る
工房を開いて四半世紀、今では出石の名所の一つ朝倉山椒ソーセージ 就職した会社では商品開発をしていました。おいしいものを作ろうとやっていましたが、大量生産のため大きな機械やたくさんの人を効率的に動かすことも考えなければなりません。そこには、どうしても制約が生じます。一通りハム造りのことを知り、自分が納得できる形でやってみたいと独立しました。
目指すところは、味の良い高品質の製品です。そのために、手間をかけ、時間をかけ、機械に頼らない手作りにこだわっています。ただ、人がやることですから、微妙にやり方が変わることがあります。すると品質も少しずつ変化していく。だいたい、楽なやり方に流れると、良い結果は出ません。
地元の豊かな食材も使うようにしています。これまで、但馬牛、八鹿豚、岩津ねぎ、やぶ医者にんにくなどを用いました。牛肉は向かないと思っていましたが、試してみたら牛ハムがドイツの品質協議会で金賞を受賞しました。カニの甲羅やそばの実でも商品を作りましたが、こちらは売れませんでした。
この工房でしか出来ない製品開発を進めていきたいです。近いうちに添加物を使わないウインナーを作りたいと思っています。 (談)
写真=朝倉山椒ソーセージ
匠プロフィール
1962年、出石町生まれ。出石高校、近畿大学農学部を経てタケダハム(大阪)に入社。商品開発に携わる。1993年、但馬の郷を創業。食肉加工品の製造・販売を始める。2007年、ドイツの食肉加工品のコンテスト「IFFA」、2012年、食品品質協議会「DLG」で金賞を受賞する
【出石ハム工房 但馬の郷】
所/豊岡市出石町鉄砲19-1
TEL0796-52-2111
2019年02月23日 08:25