丹波の奥座敷 たかた荘 高田 義巳 さん

 大阪で働き始めた頃、初めて四川料理のことを知りました。どうしても勉強したくて、四川料理を日本に広めた陳建民先生が経営する東京六本木の四川飯店に行きました。麻婆豆腐や担担麺を食べましたが、豆板醤や大豆油を使った、それまで味わったことのないジャンルの中華に衝撃を受け、ここで学びたいと思いました。
2回目に訪ねた帰り際に偶然、陳先生に会いました。私の思いを聞いた先生は、自らが主宰する「中国料理学院」の教務職員として迎えてくれました。
先生のかたわらで助手を務めながら、味の配合から、時には「手を出せ」と味見をさせてもらい、四川料理の数々を習得しました。また、料金以上の価値のある料理を提供すること。器具は調味料が混ざらないように、その都度きれいにして洗うことを学びました。
ある時「高田君、一生懸命やるよ」と声をかけられました。一生懸命やらない人は鍋を100回振っても上手くならない、不器用でも一生懸命やれば70回で出来るようになるというのです。この先生の教えを胸に、1970年、私は関西に初めて四川料理を伝えました。人生にタイミングや運があるとすれば、先生との出会いが正にそれで、私の財産です。      (談)

匠プロフィール
1946年、舞鶴市の料理旅館に生まれる。辻調理師専門学校で学び、大阪で就職するが、四川料理に興味を持ち21歳で上京。陳建民氏が主宰する「恵比寿中国料理学院」に務めながら四川料理を学ぶ。25歳で帰郷し家業を手伝う。31歳で現在の場所でレストランパブとして創業。その後、四川料理、日本料理、両者をコラボさせた懐席中華料理をいち早く考案。現在に至る。

【丹波の奥座敷 たかた荘】
所/福知山市末広町4-22-1 
TEL0773-23-5221

2019年03月23日 09:00

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