中丹で虐待防止の連携を 関係機関集い研修会
2026年10月28日 のニュース
「中丹虐待防止ネットワークづくり研修会」が24日、福知山市役所隣のハピネスふくちやまで開かれた。行政、警察、司法、医療、教育など、子どもに関わる機関から約60人が参加。先進事例の講演などを通じ、機関同士の連携のあり方について考えた。
駅南町のあだち小児科クリニック主催。同クリニックの足立晋介院長は、中丹地域の虐待予防について「他の地区よりも進んでいるが、関係機関で顔が見える関係はまだ築けていない」と感じ、「つながろう!子どもたちのために」を合言葉に、地域の関係者が一堂に会して学び、語り合う場として企画した。
特別講演では、香川県で先進的な取り組みを進める四国こどもとおとなの医療センター小児科の木下あゆみ医師が登壇。「子ども虐待対応における多機関連携~見えないSOSを見逃さないために~」をテーマに講演した。
木下医師は、同センターで2003年に虐待対応チーム(CPT)を立ち上げた経験を紹介。医師や看護師、ソーシャルワーカーらが、子どものけがや家庭の様子など「気になる」段階から情報を共有し、必要に応じて関係機関につなぐ仕組みを説明した。
「虐待かどうかを現場で判断してもらうのではなく、気になれば上げてもらう」とし、年間600件以上の「気になるシート」が寄せられていることを紹介。虐待が起きてから対応するのではなく、早い段階から支援につなげ、発生を防ぐことの重要性を語った。
また、病院と自治体、保健所、NPOなどが月1回の頻度でケースを持ち寄る定例会の取り組みを紹介。「病院から見る親子の姿は一面だけ。関係者が持っている情報を擦り合わせることで、子どもの全体像が見えてくる」と、多機関が同じテーブルで情報を共有する意義を強調した。
医療機関が虐待を疑い、通告することについては「親を裏切っているのではない。医療機関からすると、これは診断であり治療だ」と説明。「白黒はっきりつけることはできない。虐待かもしれないと思ったときに、白黒をつけてから通告しようとすると、支援からこぼれてしまう」と述べた。
その上で、「有罪か無罪よりも子どもの安全が最優先」と強調。最後に「自分の職域から少し外れるかもしれないが、少しだけおせっかいになることが子どもの未来につながる」と呼びかけ、「虐待はどの親にも起こり得る。どこかでSOSを出していると思うので、アンテナを張り巡らせてほしい」と訴えた。
続いて、市立福知山市民病院のCPTや、子どもを守る地域のネットワーク「福知山市要保護児童対策地域協議会」(事務局・市こども家庭支援課)の取り組みが共有され、最後は質疑応答も行われた。
写真(クリックで拡大)=虐待対応について語る木下医師









