旧保育園2施設を民間活用 福知山市のコンテスト最優秀プラン決まる
2024年12月29日 のニュース
京都府福知山市が、市内の旧保育園2施設を対象に活用策を募った「未利用公有財産ビジネスプランコンテスト」の最優秀賞が決まった。夜久野町高内の旧中夜久野保育園には近藤建設工業(本社・大阪府守口市)、三和町岼の旧川合保育園には天藤製薬(本社・大阪府豊中市)が選ばれ、建物の無償譲渡、土地の無償貸し付けなどを条件とした優先交渉権者となった。
市は京都銀行、京都北都信用金庫と連携し、使用していない公有施設の活用者の掘り起こしに取り組んでおり、その一環としてコンテストを開いた。7月から9月までで、各施設に対して2社ずつ計4社から応募があった。
11月29日に市や地元自治会長らが審査員を務めた最終審査をして、最優秀賞のビジネスプランが決まった。入賞した事業に取り組むことを前提とした仮契約を1月中に市と結び、市議会3月定例会で議決されれば新年度から活用が始まる予定となっている。
市役所で20日に表彰式とビジネスプランの発表があり、近藤建設の開発事業本部開発企画課長の近藤良平さん、天藤製薬の経営統括部経営企画グループマネージャーの今井康平さんらが出席した。
旧中夜久野保育園でアクアポニックス
近藤建設は旧中夜久野保育園で、作物の水耕栽培と魚の養殖を組み合わせたアクアポニックスガーデンに取り組む計画を披露。魚の排泄物などを微生物が分解した栄養の詰まった水で作物を育て、作物に栄養が吸収されたあとのきれいな水を水槽に戻す仕組みで、チョウザメ、ホンモロコなどを飼育しつつ、レタスやハーブなどを育てるという。
「見た目が楽しめる庭も備えた地域に開かれた施設とし、地域全体が持続可能な発展をしていくモデルケースにしたい」と意気込む。
旧川合保育園は生薬事業の新施設に
天藤製薬は、旧川合保育園で生薬事業に取り組むことを提案した。同社の主力商品「ボラギノール」のルーツでもある薬草・ムラサキ(紫草)などの栽培、収穫、出荷と、薬草を使ったオーガニックコスメの生産といった新事業の拠点にし、予約制のヨモギ蒸しなどができるサウナも備えるという。
「地域での契約栽培なども考えており、話題になって注目を集め、地域の魅力が再発見されるような施設運営をめざしたい」と熱を込める。
写真(クリックで拡大)=表彰を受けた天藤製薬の今井さん(左)と近藤建設の近藤さん