サンショウ需要増で好機 増産へ20年ぶり挿し木講座
2024年06月27日 のニュース
京都府福知山市三和町地域でサンショウの増産をめざすJA京都にのくに三和支店は25日、同町千束の支店倉庫で挿し木講座を開いた。講座は全国的な需要増の好機を逃がすまいと、約20年ぶりに復活。市内から10人が参加し、講師を務めたサンショウ栽培歴30年以上の樋口正明さん(68)=同町岼=から、挿し木の手順や管理方法などを教わった。
かつての挿し木講座は50人規模で多くの参加者があったが、指導する人材の確保が難しくなるなどして途絶えた。しかし、近年、需要増と生産者数の減少が相まって全国的に高値で推移するサンショウの栽培を地域で盛り上げようと、当時の講座に受講者側で参加していた樋口さんが同支店に提案した。
初めに三和地域での直近3年の販売実績の報告があり、今年は出荷量670・3キロで、1キロあたりの平均単価は一昔前と比べて倍以上の3730円。中には5250円の高値がついたものもあり、樋口さんは「昔と比べて単価も上がってきて、栽培する価値はある」とし、説明に移った。
挿し木に使う枝は太ければ太いほど成功率は高くなるといい、枝葉の切り方などを紹介。乾燥に弱いため、バケツを用意して水につけながら作業するのも良いとした。
サンショウは植えてから5、6年目から実が付く。挿し木後の年数に応じた管理方法の説明もあり、参加者たちはメモを取りながら熱心に耳を傾けていた。
参加した金丸京子さん(64)=同町友渕=は「挿し木の基本的なことを学べました。あとは自分で実践を繰り返し、たくさん収穫できるよう頑張りたい」と話していた。
樋口さんは「参加された人の中には栗を栽培している方も多かった。春はサンショウ秋は栗と、稼げる農業で地域が活発になってくれれば」と期待を寄せていた。
写真(クリックで拡大)=サンショウの枝木を見せて説明する樋口さん(左)