花火大会12年ぶりの再開決まる 市が後援承認
2024年06月12日 のニュース
京都府福知山市の若手経営者らでつくる実行委員会が今夏に計画する花火大会に対して、福知山市は11日、後援を承認した。8月11日午後8時から20分間、由良川河川敷で約2千発の花火を打ち上げる計画で、市が関わる花火大会としては2012年以来12年ぶりに開催の運びとなった。
由良川河川敷で毎年8月15日に行われていた花火大会は、実行委員会が主催、市が共催、福知山商工会議所が主管し、福知山の夏の風物詩として多くの市民に親しまれていたが、2013年、花火が打ち上がる直前に露店爆発炎上事故が発生。観客57人が死傷し、それ以来、開催されていない。
年数を経て民間団体が22年8月に河川敷で花火を打ち上げるなど、花火大会の再開の機運が高まるなか、市設置の「花火大会のあり方を考える会」から提言書を受け、市は今年5月に「花火大会に関する市の考え方」を発表。条件を満たす団体が花火大会を実施する場合に、市は後援で関与していく方針を打ち出したことで、再開を事実上容認した。
今夏の花火を打ち上げる実行委員会は、実行委員長の奥田友昭さん(43)が代表理事を務める地域活性化団体・一般社団法人DOKKOISE、福知山観光協会、地元の3商店街組合で構成。安全を最優先に考えた計画とし、5月31日に市へ後援の申請をしていた。
実行委によると、現在の計画では河川敷に市民や帰省した人を対象とした有料観覧席(2350人分)を設け、関係者以外の会場の立ち入りを制限。音無瀬橋や周辺の堤防を封鎖し、雑踏対策を徹底。各危険箇所には転落防止対策を講じるほか、警備員や福知山医師会の協力を得て医療スタッフを配備する。
観覧席以外の市民は自宅周辺などで観覧してもらうよう促し、会場周辺の混雑を避ける。会場周辺は通行規制を図り、緊急車両の通行ルートを確保。広小路通りは歩行者天国とする。露店は御霊公園内のみに出店し、身元の分かる15店舗が炭火、IH以外の火気は使用しない物販ブースを出す予定。今後、安全対策を関係機関と協議して万全の態勢を整える。
大橋一夫市長は「慎重に審査した結果、要件を満たすことができると認められたので承認した。市が求める要件に該当しなくなった場合は承認を取り消す。万が一、事故が起こった場合には、被害者の救済に関与し必要な対応を行う」とコメントを発表。市は今後、実行委員会の会議に出席し、安全対策について助言、指導を行う。
奥田実行委員長は「市民へのアンケートなど、順番にステップを踏んできた。今回は公として開催できることが大きい。安全を最優先とし、次年度以降の開催につながるモデル事業としています。ようやく一歩踏み出せたということと、責任の重大さを改めて感じます。覚悟をもってやっているので、多くの人に共感、協力してもらえたらありがたい」と話している。
写真(クリックで拡大)=12年ぶりの花火大会へ動きは加速する(2012年の花火大会)