台風災害乗り越え紫の花房鮮やか 才ノ神の藤
2024年05月01日 のニュース
京都府福知山市大江町南三、才ノ神の藤公園でフジの花が咲き始めた。昨夏の台風災害で公園に土砂が流入したが、市の復旧工事がほぼ完了。今年も鮮やかな紫色の花が咲き、地元の人たちを一安心させている。
才ノ神の藤は、自生したヤマフジ。地元では樹齢2千年と伝わっていて、1983年に府の天然記念物に指定された。
昨年8月の台風7号による豪雨で、南三地区内は家屋や田畑、道路に土砂が流れ込むなど大きな被害が発生した。藤公園も多くの土砂が一面を覆い尽くしたが、撤去して新たに土を入れるなどの復旧工事が進められた。
今年は25日ごろに開花し、現在7分咲き。藤棚から約20センチの花房が垂れ、甘くさわやかな香りを放つ。大型連休前半も市内外から多くの人たちが訪れ、花房をゆっくりと観賞。スマホで写真を撮ったりしていた。
■藤祭りは中止■
大きな被害に遭ったことから、例年5月に開いている藤祭りは中止する。
地元の才ノ神の藤保存会の廣岡治会長(75)は「公園にも土砂が流れ込んだので、フジの開花はあきらめていましたが、何とか今年も花を付けてくれて安心しています。このあとも完全に復活するように、追肥の世話をしていきたい」と話す。
写真(クリックで拡大)=棚から花房を伸ばすフジ