冬の早朝、川で倒れた男性を救助 下千原の4人に感謝状
2024年03月13日 のニュース
京都府福知山市夜久野町下千原の川で倒れていた高齢男性を、近くの住民4人が懸命の救命リレーで救った。昨年12月3日早朝のこと。辺りはまだ暗く、浅瀬ではあったものの男性は全身がぬれて体は冷え切り、一刻を争う状況だった。適切な応急処置により男性は助かり、福知山市消防本部(澤田晴彦消防長)は4人に感謝状を贈った。
同日午前6時30分ごろ、下千原の小さな川・深山川の浅瀬に男性(当時82歳)が倒れているのを、近くに住む衣川義和さん(71)が、犬の散歩から帰る途中に発見した。いつもおとなしい犬が、川の方に向かってうなる様子を不思議に思って立ち止まったことが、発見の決め手となった。
急いで家に戻った義和さんが119番通報。その間に妻の初瀬さん(65)が現場に向かい、男性の意識があることを確認してから、川べりまで引き寄せてバスタオルで包んだ。さらに衣川さん宅の川向かいに住む荻野典道さん(73)、和子さん(69)夫妻も加わり、和子さんが自宅から持ってきた毛布で男性をくるみ、温かいお茶を飲ませたりしながら全員で男性に声をかけ続けた。
その後に到着した救急隊に引き継がれた時点で、男性の体温は31度ほどしかなく、あと少し遅れていたら命の危険があったという。
感謝状の贈呈式は8日に東羽合の市消防防災センターであり、澤田消防長が「当時の気温は2度と低く、早期の救出が必要でした。そんな中、川からの救助だけでなく、適切な手当てを行ったみなさんの勇気ある行動が、命を救うことにつながりました」と感謝の言葉を述べた。
感謝状を受け取った4人は「何が何でも助けたいという気持ちの一心だった。生きていてくれて良かった」と喜んでいた。
写真(クリックで拡大)=感謝状を受けた4人。前列右から、衣川義和さん、初瀬さん、荻野典道さん、和子さん