丹海バスが福知山線を減便、来年で廃線を検討
2024年02月26日 のニュース
京都府福知山市の地域公共交通会議(会長・大橋一夫市長)の会合が、駅前町の市民交流プラザで22日に開かれた。丹海バスを運行する丹後海陸交通(本社・与謝野町)の担当者が、運転手不足の現状を説明。与謝野と福知山を結ぶ路線バス「福知山線」(与謝-共栄高校前、往復6便)について今後、減便、廃線の方向で検討していることを伝えた。
バス事業を巡っては、全国的に運転手不足が顕著で、既存の路線バスの廃止や減便が相次いでいる。さらに、働き方改革の一環として、4月から運転手の時間外労働に年960時間の上限規制が設けられるいわゆる「2024年問題」などを背景に、運転手不足に拍車がかかることが懸念されている。
会合では、丹後地域と福知山市で路線バスを運行している丹後海陸交通の経営企画部長が発言を求め、全国的な流れと同じように同社も運転手不足になっていると説明。離職者を防ぐ努力をしているものの、今年度は計8人が退職予定で、路線維持のための人手が足りず、「採用強化を図りたいが先行きが見えない状況」としたうえで、福知山線について6月1日から3便(往復6便)を2便(往復4便)に減らし、来年3月末で路線を廃止するとの考えを示した。
同線の利用状況は通学者が10人ほど、通勤での利用は8人程度で、「利用者にはご迷惑をおかけするが、苦渋の選択」と理解を求めた。
これを受けて会長代理の前川二郎副市長は「運転手確保が困難な実情は理解するが、北陵地域と福知山市の中心部を結ぶ唯一の路線であり、これまでも与謝野町さんと一緒になり、路線維持のための財政的支援をさせていただいている。沿線住民にとって大きな影響を与えるため、市としては路線維持の支援を継続したいので、結論を急がず、減便、廃線を回避する手立てがないか、持ち帰って再考を」と注文した。
これに対し、丹海バス側は、「持ち帰って検討させていただきたい」とした。
写真(クリックで拡大)=協議事項などを話し合った市地域公共交通会議