丹後和紙の原料づくりが最盛期 コウゾ蒸しに市民が協力
2024年02月20日 のニュース
京都府福知山市内で江戸時代から続く伝統の手漉(す)き和紙「丹後和紙(丹後二俣紙)」作りを続ける大江町二俣一、田中製紙工業所で、収穫したコウゾを和紙の原料にする作業が最盛期を迎えている。18日には丹後二俣紙保存会に所属する市民2人も参加し、加工作業に精を出した。
今季は大江にある2カ所の畑でコウゾを栽培して、計約2トンを収穫した。加工作業は昨年から、丹後和紙を後世に伝えていくことを目的に生産者と市民約20人で結成した同保存会が協力。今年は会員の中島明さん(73)=西佳屋野町=と米田智道さん(51)=上荒河=が助っ人で参加した。
蒸し作業は、コウゾの枝を束にして、かまどの中に並べて立て、大きな木おけをかぶせて約2時間蒸した。続いて枝から表皮をはがしていく。
蒸した枝は皮がむきやすくなり、田中製紙の代表、田中敏弘さん(62)や田中さんの家族らと手分けして、丁寧に皮をむいていった。
2人は「コウゾの刈り取りもし、こうした作業を通して和紙作りの大変さが分かりました。丹後和紙の良さがもっと広まればうれしい。役に立つことがあれば、また作業に参加したい」と話していた。
田中さんは「こうして手伝っていただくと本当に助かります。作業は大変ですが、私たちの和紙作りへの熱い思いも知ってもらえてありがたい」と感謝していた。
写真(クリックで拡大)=かまどにコウゾの枝を詰め、蒸す作業をしていった