旧菟原小の活用から1年 地元と京繊が記念交流
2023年12月05日 のニュース
振り袖や袴のレンタルなどを手掛ける京繊(本社・京都市中京区、田中威之社長)が、京都府福知山市三和町菟原中、旧菟原小学校の活用を始めて1年が経ち、26日に現地で記念行事が開かれた。地区住民約150人が参加し、懐かしい校舎内を見学。イベントに招いたシェフ・古庄浩さんの料理を味わった。
前社長の田中元子会長(70)が、「1周年を機に交流が出来ないか」と地元に話を持ち掛けたことがきっかけで実現。8月には住民たちで記念行事の実行委員会(藤田晃和委員長)を組織し、京繊側と協力しながら準備を進めてきた。「住民と企業が手を取り合い、互いに発展していくように」との思いも込める。
体育館で開かれた式典では、昨年10月から活用が始まり、現在は「福知山商品管理物流センター」として襦袢(じゅばん)や着物の帯といった小物の管理、メンテナンス作業で利用していること、障害者雇用に力を入れていることなどが紹介され、大手ホテルの総料理長などを務めた古庄シェフによるミニ講演会もあった。
このあと、住民たちが2組に分かれ、順番に施設内を見学。教室が作業場や倉庫として使われている様子や、卒業制作の木彫りの似顔絵が残っている場所などに見入っていた。体育館では地元産の卵、野菜を使った古庄シェフによるオムライス、スープ、サラダが用意され、目の前での実演を見ながら、みんなで料理を味わった。
菟原小に通った後藤一郎さん(92)は「当時のことを思い出します。廃校になっていた施設を、こうやって活用し、地域が活性化されることは素晴らしいことで、うれしさを感じます」と喜んでいた。
田中会長は「会社がどういう風に施設を活用しているか知ってもらう機会になり、たくさんの地域の方とも交流ができて良かったです」と笑顔を見せていた。
写真(クリックで拡大)=古庄シェフの実演を見学する住民たち