境内に、かやぶき宿坊 甘栗の觀興寺
2023年08月13日 のニュース
福知山市甘栗の臨済宗南禅寺派觀興寺(平出彰靖住職)が、境内のかやぶき屋根の茶室を改修し、檀家や仏教に関心ある人らのための宿坊とする準備を進めている。宿泊中は読経や座禅などの体験ができ、住職との交流の中で仏教を学べる。建物は完成間近で、開業は秋ごろの予定。
かやぶき屋根の建物は1910年(明治43年)に、当時の住職の隠居部屋として建てられた。その後、88年(昭和63年)に平出住職の父で、先代住職の酒井恵照さんが茶室に改修した。
これまでに2回、かやのふき替えはしたが、次第に劣化が目立つようになった。改修に迫られ、せっかくなら何か新しいことを-と考えていたところ、遠方に住む檀家が、法事などで福知山を訪れる際は、市中心部のホテルに宿泊しているとの話を聞いた。それならと、境内で泊まれて寺の生活を体験できる場所を提供することに決めた。
■住職の話を聴き読経、座禅体験■
宿坊には居間とベッドを置いた寝室、バス、トイレを設け、食事は住職が提供する。宿泊は1泊に限り、連泊は不可。利用できるのは檀家、または日本の寺の様子や仏教に関心がある人に限定する。夕食後に住職が仏教についての話をするなどし、翌日は朝に寺の鐘をついたあと、読経や写経、座禅などが体験できるようにしたいという。
平出住職は「田舎にある何もない寺ですが、だからこそ本当の日本の寺の姿を知ってもらえると思います。日本の伝統文化や仏教に触れるなかで、ご自身とも向き合える場所を提供できればと考えています」と話している。
現在は秋の開業に向けて事務手続きなどを進めており、宿泊の費用など詳細を詰めている。問い合わせなどは同寺、電話0773(34)0335へ。
写真(クリックで拡大)=完成間近の宿坊と平出住職