「人生に無駄なことはない」 元車いすバスケ日本代表が夜久野学園で

2023年07月05日 のニュース

 京都府福知山市夜久野町高内の小中一貫教育校、夜久野学園(山添麻矢校長)はこのほど、元車いすバスケットボール選手で、アテネパラリンピックにも日本代表として出場した阪根泰子さん(52)=京都市=を講師に招き、車いすバスケ教室を開いた。6~9年生が熱心に話を聞き、実際に競技用車いすに乗ってバスケを体験した。

 子どもにスポーツを通じて夢や希望を与えることを目的にした府の「京のスポーツ夢バンク」事業を活用して開いた。

 阪根さんは国際親善大会でのMVP受賞や、所属チームの全日本選手権大会2連覇に貢献するなど、車いすバスケ界で活躍してきた。

 18歳のころ、脊髄炎を発症し、下半身が動かなくなり車いす生活に。一時は塞ぎ込んだが、車いすバスケに出会ったことでパラリンピックに出場するという夢ができ、競技に没頭した。

 阪根さんは「人生は、いつ何がきっかけで変わるか分からない」と話す。小、中学生のころは運動が大嫌いだった自分が、日本代表として世界を相手に戦うことになるとは全く思わなかった。しかし夢を追いかける中で、仲間ができ、たくさんの人が応援してくれ、素晴らしい人生を送ってこられた。歩けなくなったからこそめざせた夢で、他の人が経験できない、自分だけの人生を築けたと、気持ちを込めて話した。

 阪根さんは競技人生での挫折にも触れた上で、「人生で起きることに何一つ無駄なことはない。その中で何を選び何を頑張るか、どれだけ頑張るか。それが人生を大きく決める。無限の可能性を持つみんなには、そのことを心にとめてこれからも頑張ってほしい」とエールを送った。

 講演のあとにはチームに分かれ、全員が競技用車いすに乗って車いすバスケを体験した。

 バスケ部に所属する9年生(中学3年生)、石田光生さんは「車いすは真っすぐ進むのも難しくて少し動くのも大変でした。阪根さんの話を聞いて、勉強や部活でうまくいかないときもあるけど、もっと頑張ってみようと勇気がもらえました」と話していた。

 

写真上(クリックで拡大)=頑張ることの大切さを話す阪根さん
写真下(クリックで拡大)=競技用車いすに乗って試合をした

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