五輪金メダリストらが中丹支援学校訪れ笑顔の交流

2024年06月21日 のニュース

 子どもたちにスポーツの楽しさを伝えたいと、元女子サッカー日本代表(なでしこジャパン)の岩渕真奈さん(31)とリオ五輪レスリング女子48キロ級金メダリストの登坂絵莉さん(30)が20日、福知山市私市の京都府立中丹支援学校(高野美和校長)を訪問し、児童生徒たちと一緒に体を動かすなど、スポーツを通じて交流を深めた。

 世界一を知る2人は、スポーツを通して新たなつながりや交流、笑顔を生み出すことを目的として昨夏に設立した「一般社団法人スマイルコンパス」の創設メンバーで、競技の勝敗だけでなく「スポーツは楽しむもの」という本来の目的を伝え、子どもたちの自己成長の機会になればと、さまざまな活動を展開している。

 「いどむ つながる かがやく」を教育目標に掲げる中丹支援学校は今年度、フットサル部とパラスポーツ部を正式に発足させるなど新しいことに挑戦している。その一環で「世界を相手に戦ってきた元トップアスリートとの交流をきっかけに、スポーツに携わる児童生徒が増えてほしい」と願い、スマイルコンパスに申し出て、実現した。

■児童らは楽しくシュートゲーム■

 小学部55人は午前と午後に分かれて2部制で交流。体育館に登場した2人の姿に子どもたちは目を輝かせながら、サッカーのシュートゲームをした。ボールを蹴り込み、ゴールが決まると2人から「ナイスシュート」と褒められ、ハイタッチをするなどして喜んだ。

 午前の交流会の最後に岩渕さんは「たくさんボールを蹴ってみたり、投げてみたり、走ってみたり、体を動かして元気に楽しい学校生活を送ってください」と呼びかけ、小学1年生の男子児童は「楽しかったです。また来てください」と2人に話した。

■中学部、高等部もサッカーやボッチャ■

 その後、2人は高等部の生徒たちともサッカーやボッチャで交流。岩渕さんは得意のドリブルを披露したり、「ボールをしっかり見て、真ん中を蹴って」とシュートのこつを伝授。22日に京都府大会に挑むフットサル部員には、「自信を持って試合に挑んでほしい」と激励した。

 登坂さんはボッチャを一緒に競技したほか、レスリングのタックルを実演し、スポーツの面白さを伝えた。2人は中学部の生徒たちと一緒に給食も食べて、全校児童生徒との親睦を深めた。

 登坂さんは「体を動かすことの楽しさや成功体験を子どもに伝えていきたい。きょうは子どもたちがシュート決めて、すごく喜んでくれたので、そういう姿を見られて良かったです」。岩渕さんは「子どもたちと一緒に盛り上がることができて、すごく楽しかった。障害の有無は関係なく、車いすの子もゴールを決めて、一緒に喜べたことが良かったです」と話していた。

 

写真(クリックで拡大)=中丹支援学校の子どもたちと交流する岩渕さん(右)と登坂さん

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