温かくも切ない人間模様描く 大江山鬼そば屋の佐々井店長が小説出版
2023年07月01日 のニュース
京都府福知山市雲原、大江山鬼そば屋の共同店長、佐々井飛矢文さん(38)がこのほど、小説「空色ペンギンぷーちゃん」を出版した。A5判の上下巻で、計約500㌻。勾玉から生まれた不思議なペンギンの男の子「ぷーちゃん」を取り巻く人々の日常を書いた。
佐々井さんが立ち上げた発行所「創作集団『珠彩』」から、「飛矢文(なゝ姫)」の著者名で正規出版した。もう一人の共同店長の中村麻美さん(63)も編集に携わっている。
小説は、2010年ごろの架空の埼玉県所沢市が舞台。第二次世界大戦の日本を生き抜き、ぷーちゃんと生活をともにすることになった一人暮らしの80代女性、まち中で2人をよく乗せるタクシーの運転手、母親を亡くし父子家庭になった小学生の姉弟、高校時代に友人を亡くした20代の女性らの関わり合う様子が丁寧に書かれ、温かくも切ない物語が展開する。
当事者として、性的少数者の講演にも取り組む佐々井さんは「自分の幼少期の思い出をもとにした物語になっています。どんな人にもそれぞれの物語があります。人が生きていること、死ぬこと、命を書き出したいと思いました」と話す。
また、「実は、21作品からなる作品群の構想があります。今回は出版第1号ですが、物語としては16番目の作品です。これだけでも完結しているお話なので、今後も含めて楽しんでいただければうれしいです」と笑顔を見せた。作品ごとに、青春小説やアクション、伝説物、SFなど、作風が変わるという。
小説の表紙、挿絵なども自ら手掛けている。
本は一冊税込み1499円。蛇ケ端の三ツ丸ストア堀店内のぱん工房わんダフル、福島文進堂福知山駅南町店、東羽合のツタヤ・アビックス福知山店、大江山鬼そば屋で扱っている。
取扱店の拡大、今後の出版などについては、ツイッター、フェイスブックなど、大江山鬼そば屋の公式アカウントで知らせる。問い合わせもSNSから受け付けている。
写真=出版した小説を持つ佐々井さん