亡くなった祖母への思い、湧き上がる寂しさ詠み 全国子ども俳句コン優秀賞 南陵中3年岡本悠真君
2025年03月10日 のニュース

京都府福知山市南岡町、南陵中学校3年の岡本悠真君が「第12回ぎふ・関 全国子ども俳句コンクール」で優秀賞を受けた。作品は「空蝉や祖母の遺せるプランター」。昨夏に亡くなった祖母・京子さんへの思いを詠んだ句で、「賞をもらえてうれしい。祖母も喜んでくれているのでは」と顔をほころばせる。
同コンクールは岐阜県関市など主催。俳聖として有名な松尾芭蕉の高弟・広瀬惟然の生誕の地であることから、全国の小学生、中学生、高校生を対象に隔年開催していて、今回は全体で1万9673句の応募があった。中学生の部には8088句が寄せられ、審査員が惟然大賞1句、特別賞3句、優秀賞10句、奨励賞、入選を決めた。
岡本君の受賞句は、昨年7月に亡くなった京子さんが趣味でしていた家庭菜園を、家族で片付けた時の様子を詠んだ。生前はいっぱいのプランターが並び、中にはトマトやナス、キュウリなどが育てられていたが、片付け作業が進むうちに空っぽのプランターだけが残った。
毎年、京子さんが振る舞う夏野菜を楽しみにし、小さい頃は絵本の読み聞かせをしてもらったりと、おばあちゃん子だったという岡本君。「空っぽのプランターを見つめた時に、本当に亡くなったんだという実感が湧き、その寂しさを詠みました」
特に季語にこだわったといい、「セミの抜け殻や空虚を意味する『空蝉』が、残ったプランターや伝えたい思いと合っていて選びました」と話す。「短い17音で表現するのに試行錯誤しましたが満足いく句が作れました」と振り返り、受賞を喜ぶ。
昨年12月に関市で表彰式が行われ、2月末に表彰状が届いた。
写真(クリックで拡大)=優秀賞を受賞した岡本君