クマの危害防止に、不要な柿の木は伐採を 京都府が呼びかけ

2023年06月01日 のニュース

 クマによる人への危害や農作物被害などを未然に防ごうと、京都府は、中丹3市でクマの目撃情報が多い地域を回る「被害防止啓発パトロール」を始めた。30日に福知山市大江町金屋、上野両地区からスタート。地元の自治会長らに、クマを集落に寄せ付けない対策などの講義をした。

 府によると、昨年度のクマの目撃情報は、中丹3市で計354件。近年、府内ではツキノワグマの生息頭数が増加傾向にあり、行動を活発化させる初夏から秋にかけて、目撃が多発する。昨年10月には、福知山市大江町高津江の民家で人が襲われる人身事故も発生している。

 このような状況を受け、府中丹広域振興局は今年度、各市や警察署と連携し、中丹管内の30集落程度で被害防止対策パトロールの巡回啓発に取り組むことにした。「クマを集落に寄せ付けない、クマと遭遇しないための対策」を推進する。

 第1回は金屋、上野両地区であり、自治会長らが参加。金屋ふれあいセンターでの講義では、府と市の職員が、クマは夏には青い柿を食べることや、朝夕だけでなく昼間も活動することなど生態について説明した。

 金屋、上野両地区では、出没情報がゼロ件の年もあるが、19年度と昨年度は目撃がされている。年によって状況が異なるのは、山のどんぐりなど木の実の出来具合が影響していて、「餌を求めて、今まで出ていなかったところにも出ることがある」と解説した。

 府と市がドラム缶檻を設置することもあるが、根本的な対策としては、柿や生ごみ、ハチの巣など誘引物を無くして「クマを集落に近づけないように工夫することが重要」だとし、「不要な柿、食べない柿は伐採してもらうのがベスト。食べる場合は(クマが登れないように)幹にトタンをまいておいて、早めに収穫してほしい」と伝えた。

 また、「柿の木対策は地域全体で取り組んでいくことが大事」だといい、「回りの家には柿の木がなくても空き家に柿の木が放置されていると、そこをめがけてクマが来ます」と説明した。

 講義のあとは、両地区にある柿の木の状況を地図で確認したり、昨年、実際にクマの目撃情報があった場所まで出向き、現地で確認をした。

 金屋自治会長の亀井洋二さん(65)は「昨年は子どもたちの通学路付近で、目撃されている。朝夕に活発的になるのは知っていたが、昼間にうろうろする認識はなかったので気をつけないといけない。学ぶことが多かったので、市に出前講座をしてもらって住民にも知らせたい」と話していた。

 

写真(クリックで拡大)=昨年目撃された民家の柿の木を視察した(金屋で)

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