生産計画と実績を見える化 橋電が文科大臣表彰
2023年05月29日 のニュース
京都府福知山市土に本社を置く電子機器製造業、橋電(酒井政彦社長)の社員2人が手掛けた、自社製造ラインの「生産計画及び生産実績見える化システムの考案」の取り組みが、今年度科学技術分野における文部科学大臣表彰の「創意工夫功労者賞」に輝いた。
大臣表彰は、科学技術に関する研究開発や理解増進などで顕著な成果を収めた人らに贈られる。創意工夫功労者賞は、優れた創意工夫で職域における技術の改善向上に貢献した事例が対象。
橋電は、福知山工場生産革新グループの山崎美佳さんと長田野工場製造1グループの宮崎里沙さんが共同開発した生産状況の見える化システムで受賞した。
製造現場で従来はホワイトボードへの手書きで管理していた生産計画などを、タブレットを使ってデータベース上でまとめて業務効率を高めた。誰にでも分かりやすい画面構成や操作性へのこだわりも評価された。
システムは2021年10月から稼働。これまで行っていた管理のための製造現場と事務所間の従業員の行き来が不要になり、リアルタイムで情報共有できるようになったことで、突発事案への対応力も飛躍的に上がった。
山崎さんと宮崎さんは「システム開発は1年がかりになったけれど、現場の声を聞いて使いやすいものができたと思っています。大臣表彰はびっくりしましたが、うれしい」と喜んでいる。
■ミリ単位の作業自動化 別チームは府表彰■
橋電の別チームは、電子基板に実装する極小サイズの電子部品を自動で挿入する機械装置を開発し、京都府の発明等功労者表彰の創意工夫功労者に選ばれた。
長田野、福知山両工場で勤務する足立力さん、寺山薫さん、宮内司さん、四方樹さんのチームが取り組んだ。
繊細な作業工程で自動化が難しく、人の手で対応するしかなかった部分を、自社開発のシステムを組み込んだ機械に置き換えて全自動化した。
酒井社長は「社員のスキルアップは会社の成長に欠かせないし、賞をもらうことは客観的な評価であり、やりがいにもつながる。みんなで創意工夫の取り組みを今後も続けて、楽しく働きながら時代に応えていける会社をめざします」と意気込んでいる。
写真(クリックで拡大)=いちいちホワイトボードに手書きしていた生産状況をタブレットで一括把握(長田野工場で)