AI研究の国内第一人者 福知山公立大の西田副学長

2024年02月21日 のニュース

 AI(人工知能)、情報処理分野の日本を代表する学者で京都府福知山市、福知山公立大学の西田豊明副学長(69)が、研究者約2万人が所属する情報処理学会(IPSJ)から2023年度学会貢献賞を受けることになった。以前の学会への貢献が認められた。最近はAIについて分かりやすく解説する講演が評判で、全国を飛び回る多忙な毎日を送っている。

 AIの研究を始めたのは京大在学中だった。国内ではまだ研究者は少ない時代。だれかに指導を受けて研究をしたり、何かのプロジェクトに参加して、その中で頭角を現すというスタイルではなく、自分で研究テーマを形成して実績を築いていく「たたき上げ」の研究者だった。

 研究歴は日本屈指。研究の中身でも、米国スタンフォード大学などが選ぶ世界トップ2%の科学者リストに入っている。これまでに国際学会からも10件ほどの表彰を受けている。

 今回の学会貢献賞は、04~07年度ごろにかけての学会の論文誌副編集委員長、委員長時代に、それまで手書き・郵送で送られていた論文を、簡単に電子化してメールで送信できるようにしたことが評価された。一緒に取り組んだ3人による共同受賞。6月に予定の学会総会で表彰を受ける。

 市販ワープロソフトで入稿できるようマクロを組み込んだテンプレートを作り、テストを繰り返して07年度ごろから本格稼働させた。これによって執筆者は書式に気を取られることなく、論文の内容だけに集中して書くことができるようになった。情報処理学会での取り組みが国内の他の学会の先駆けになったという。

 同時期にはWEBインテリジェンスとインテリジェント・エージェント・テクノロジーに関する国際会議(WI/IAT)で議長として、世界中から集まる論文受け付けと査読をネット上のワークフローシステムで行い、表彰を受けている。

 今回のIPSJの賞について、仲間の受賞を喜びつつも自身については、あまり語らず、もっぱらAIと大学の今後についてが関心事。昨夏から地方新聞社などに招かれての講演会を続けていて、3月の佐賀県で10府県の13都市目になる。先に講演した都市では各地の議員や経営者らがAIに大きな関心を寄せたことを踏まえ、「福知山近辺でもAIを活用してほしい。そのために福知山公立大学が役立てることも多いでしょう。どうぞ声をかけて下さい」と話している。

 

写真(クリックで拡大)=自著を手に西田副学長。背後のイラストはAIに描かせた城。堀に浮かべた舟からの視点や鳥の目から見た姿など様々に実演してみせた

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