野生ケシが近年急増 京都府「見つけたら通報を」
2023年05月20日 のニュース
京都府内で、麻薬の一種・アヘンの原料となる野生のケシの発見が急増している。直近4年で発見件数は約2倍、除去本数は約5倍に増えた。5月~7月は花が咲いて生育確認がしやすい時期。ただし自分で抜いた場合は不法所持として違法行為となる恐れがあり、府薬務課は「見つけた場合は抜かずに通報をお願いします」と話す。
麻薬の原料になる一部のケシは法律で所持と栽培が禁止されている。府は禁止ケシ2種として、「セティゲルム種」=花びら4枚で薄紫色や赤色。開花時の草丈50~100センチ程度=、「ソムニフェルム種」=花びら4枚で色は赤、桃、紫、白など。開花時の草丈は100~160センチ程度=の情報提供を求めている。2種とも葉は互い違いに茎に付き、基部は茎を抱き込んでいることも特徴となる。
府内では発見件数、除去本数ともに右肩上がりで、発見件数は2019年の49件が22年に95件、除去本数は2748本が1万3467本にまで増えている。「福知山市内もおおむね増加傾向」(府中丹西保健所)という。
府薬務課は「増加の要因ははっきりとは分かりませんが、通報件数が増えてきた背景には、一般の方の認知が高まってきたことの影響もあると思われます」と話す。
府は、薬物乱用を未然防止することを目的に、野生にあるケシと大麻を見つけ除去するパトロールと取り締まりを強化する「不正大麻・けし撲滅運動(5~6月)」を展開中で、発見した場合には、府薬務課・電話075-414-4786か、最寄りの保健所や警察への通報を呼びかけている。
中丹西保健所は電話0773(22)6382、福知山署は電話0773(22)0110。
写真(クリックで拡大)=府内で発見されたセティゲルム種のケシ(京都府提供)