待ってましたと大興寺でモリアオ産卵始める
2023年05月20日 のニュース
最高気温30度を超える連日のうだるような暑さから一転、雨模様となった19日、京都府福知山市正明寺、臨済宗南禅寺派・大興寺(有賀祖道住職)で、モリアオガエルの産卵が始まった。「待ってました」と言わんばかりに鳴き声を響かせながら姿を現し、本堂そばの池の木の枝にメレンゲ状の卵塊を作っている。
大興寺は、福知山駅から約3キロと市街地に近いが、周囲は自然が豊かで生育条件に適していて、毎年5月後半から、裏山周辺に生息するモリアオガエルが産卵にやって来る。
有賀住職(62)は、住職に就いた1988年から保護、観察、孵化に取り組んでいる。今までは池の水が抜けやすく、枯渇しないように井戸水を流していたが、昨年10月に工事を行い、漏水の心配はなくなった。水が減ると外敵にも狙われやすくなるといい、「(井戸水に比べ)自然な環境に近づき、より過ごしやすくなれば」と期待する。
19日午前7時ごろに有賀住職が卵塊を一つ発見。昨年より2日遅い産卵となった。重みで枝をしならせる卵塊の大きさは直径20センチほど。中に300~500個の卵を産み、1週間ほどでオタマジャクシとなり、雨で卵塊が破れて自然と池に落ちる。その後、40日ほどでカエルになるという。
有賀住職は「18日の夜中から雨が降り始め、湿気が出てきて産卵が始まったのでは。梅雨に入るとどんどん増えていきます。今後もモリアオガエルが住む森と池を守っていきたい」と話している。
産卵は6月いっぱいまで続く見込み。
写真(クリックで拡大)=池にせり出す枝に作られた卵塊