「看護の日」に入院患者、職員が相互にメッセージ 福知山市民病院
2023年05月15日 のニュース
京都府福知山市厚中町、市立福知山市民病院で「看護の日」の取り組みがあり、入院患者らが、日ごろの感謝などを書いたメッセージを病院職員たちに渡した。「心から感謝しています。皆さまも体に気をつけて頑張ってください」。職員のことを気遣う温かい言葉に励まされ、職員たちが士気を高めている。
5月12日は、近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日で、看護の日に制定されている。市民病院では毎年、この日に合わせ、相手を思いやり、寄り添う心を届けようと、入院患者らにメッセージを届けてきた。
2年前に、「病院職員と入院患者らの双方向の交流になり、新型コロナウイルスへの対応などで緊張した毎日を送る職員らの励みになれば」と、患者側からもメッセージを送れるように、用紙を添えるようにした。
すぐに反響があり、多くのメッセージが届いた。毎年、模造紙にまとめて職員用通路などに張り出し、医師や事務員、看護師ら多くのスタッフがじっくりと見ている。
今年は、12日の昼食時に、300人以上の入院患者にメッセージ用紙を配布。入院患者は、見回りに来た看護師らへ次々に用紙を渡し、50枚以上が集まった。外来にもメッセージ用紙を置いた。
「がんになり、家族にも伝わらない辛い気持ちを、涙として洗い流して下さいました。そんな寄り添いが出来るナースの皆さま。これからの治療の強い味方です。体調に気をつけて頂き、よろしくお願いします」「不安の中での入院でしたが、笑顔を絶やさない皆さんに優しく接して頂き、感謝でいっぱいです。感染リスクと戦いながら、頑張る人がいることを伝えていきたいです」などの言葉が寄せられた。震える手で懸命に書かれた文章もある。
市内在住の女性(36)は「過去に、子どもや夫も入院してお世話になったことがありますが、感謝の気持ちがあっても、伝える機会がなかったので、良い機会を頂けました。感謝が伝わればうれしい」と笑顔を見せ、兵庫県丹波市の男性(81)は「主治医の先生は病気のことも腹を割って話せ、相談しやすく、親身になってくれる恩人です。他のスタッフのみなさんもですが、コロナで大変な中、すごく頑張っておられます。そういうことが伝わるメッセージを書きたい」と筆を執った。
看護の日実行委員長の相根博明・副看護師長(48)は「身体的につらい状況の方もいる中、こんなにたくさんのメッセージを寄せて頂いたことにびっくりしています。一つひとつが、本当にありがたいです。元気になってもらえるよう、より一層職務に励みたい」と気を引き締めた。
写真(クリックで拡大)=看護師へメッセージを渡す入院患者(病院撮影)