路線廃止表明のJRバス園福線 福知山市が代替交通導入を検討
2023年01月26日 のニュース
京都府福知山市の福知山駅から南丹市の園部駅までを結ぶ路線バス「園福線」について、西日本ジェイアールバスが路線廃止を前提に「今後の運行が困難」と発表したことを受け、福知山市地域公共交通会議(会長・大橋一夫福知山市長)は会合を開き、代替交通の導入に向けて検討を進めることを決めた。
交通会議は国、府、市などの道路管理団体、福知山署、地域住民代表らで構成している。
西日本ジェイアールバスは1988年3月に設立し、旧国鉄から引き継いで園福線を運行してきた。
駅前町の市民交流プラザで23日に開かれた会合では、同社京都支店の島川直樹支店長が「年間の乗車人数は、当初は120万人を超えていたが、1998年に約49万人、2009年には約22万人と減り、21年度には約12万人となった。収入も大幅に減少した状態。サービス向上や地域連携の取り組みをしてきたが、路線の活用増加や収支改善には至らず、昨年12月に京都府交通対策地域協議会へ運行困難の申し入れをした」と、厳しい経営状況にも触れながら経緯を説明した。
その後、近畿運輸局の担当者が、地方公共団体による公募で新たなサービス提供者を選定し、地域の旅客運送サービスを継続する「地域旅客運送サービス継続事業」などについて説明。出席者は、他の交通事業者やタクシー、自家用有償旅客運送といった様々な手法で継続が考えられることを確認し、地域の交通手段を確保するため、全員一致で代替交通の検討を始めることを決めた。
事務局の市都市交通課は、国、府と沿線の南丹市、京丹波町とも連携し、福知山市として代替交通の実施をしていくとしている。
これとは別に、市地域公共交通利便増進実施計画についても話し合い、26年度までに夜久野地域での地域公共交通の再編、利便性増進の取り組みを重点的に進めていくことを決めた。公共交通の利用者が限られる地域では、予約型のデマンド交通の導入などを検討していく。2月中旬にパブリックコメントを募集し、3月中には計画を策定する。
写真上=「今後の運行が困難」となっている園福線のバス
写真下=園福線の今後について地域公共交通会議で議論した