食品ロスをおいしく解決 規格外の野菜で「ピクルス」作り
2022年12月07日 のニュース
京都府福知山市三和町西松の野菜ソムリエ、岩崎真理子さんが、規格外の野菜を酢漬けの「ピクルス」に加工して需要拡大を図る取り組みを進めている。食品ロスをなくすことを目標に掲げて、新町商店街内にピクルス専門店「M SOLE(エムソーレ)」を構えた。
岩崎さんは東京を拠点に野菜ソムリエとして活動していたが、新型コロナウイルス禍で地方移住を考え、父親が家庭菜園を楽しむために所有していた西松の別荘へ2年前に引っ越した。
周辺環境が都会のビルの雑踏から美しい田園風景に変わり、農産物に携わって生活をしたいと、三和町内で万願寺甘とうの生産農家を手伝うようになった。その中で、大きさや形、色などが市場で求められる規格から外れて出荷されない規格外野菜を目の当たりにした。
「味は遜色ないのにもったいない。なんとかしたい」
加工食品化を探り、国家資格・食の6次産業化プロデューサーを取得。野菜ソムリエの経験も生かして、風味を損なわずにピクルスにする方法にたどり着き、出店計画を立てた。
福知山まちづくり株式会社のストックバンク事業で、新町商店街内にある空き物件1階(約20平方メートル)を加工場兼店舗として確保し、店は6日にオープン。ピクルスは、万願寺をはじめ、サツマイモ、カボチャ、キュウリ、大根、ミニトマト、うずら卵で計7種ある。ミニトマトとうずら卵以外は福知山産を使い、手に入らない時は国産で代用する。
岩崎さんは「もったいないを無くして幸せな食卓が広がってほしい。そこに『おいしい』もあったらいいなと思っています」と話す。
ピクルスは「京都・福知山ピクルス」と名付けた。瓶詰め90グラムで価格は税込み750円~800円。「使い切ってほしいので、食べ方の提案もしていきたい」と意気込む。
店には岩崎さんがほれ込んだ西松産のコシヒカリ(特別栽培米)も置いている。営業時間は午後1時から5時まで。不定休。
写真=ピクルスの瓶詰めを持つ岩崎さん