万願寺で開運あめ 公立大生と農業会社が共同開発
2024年01月06日 のニュース
農業を営む京都府福知山市三和町辻のSeason(シーズン)社(久保世智社長)は、福知山公立大学の学生と共同で、廃棄される規格外の万願寺とうがらしを使ったあめ玉を開発した。学生たちは、食品ロスの課題解消につなげたいと意気込んでいる。
起業家を育成する市の「NEXT産業創造プログラム」の一環。同社は、万願寺とうがらしの大規模栽培をしていて、傷が付いているなどで年間約3トンが廃棄になる。そこで、産業創造プログラムを受講する公立大2~4回生の8人と市職員1人の計9人とともにチームを組み、活用方法を模索した。
久保社長によると、万願寺とうがらしは「万人の願いをかなえる開運野菜」と言われることや、福知山の漢字から「福と知が山盛り」という意味を込めて、受験生を応援する「万願成就あめ」と銘打って商品化。万願寺とうがらしを粉末にして、砂糖や水あめに混ぜ、直火で炊き上げる伝統的な「京あめ」の手法で、京都市内などの会社で製造している。
あめ玉は万願寺とうがらし味に加えて、三和町の特産品「三和ぶどう」をジュースにした際に残った種や皮を活用した三和ぶどう味もある。また、「Z世代」と呼ばれる若者をターゲットにして、クエン酸を入れた「すっぱ~い味」バージョンも作った。
万願寺とうがらし味と三和ぶどう味の2種類の味を詰めて、1袋14個入りで500円。2月末まで、福知山、福知山駅南、福知山篠尾、細見、三和の郵便局5カ所で販売する。
学生たちは販売先への営業や、パッケージのデザイン製作などを担当。リーダーの正木杏奈さん=4回生=は「デザインはしたことがなかったので、今回こうして商品となり、達成感を感じています。『福知山の学生が地元の野菜を再利用して作ったあめ』というところを押し出していきたい」と話す。
3回生の平田翔大さんは「規格外のため捨てられてしまうものですが、味は変わらずおいしいものを使って生産しています。万願寺とうがらしのあめと聞くと、味は想像できないと思いますが、食べてみると意外とおいしいです。ぜひ食べてみてください」と話している。
写真(クリックで拡大)上から
・あめ玉を共同開発した久保社長(右)と公立大生
・「万願成就あめ」4パッケージ