災害時の遺族対応 寄り添うこと第一に福知山署が訓練

2022年09月17日 のニュース

 京都府福知山市西小谷ケ丘の福知山公立大学で15日、福知山署(小林明彦署長)が災害時の遺族対応訓練をした。生活安全、交通など各課の署員が参加し、災害時に稼働する家族支援組織「DMORT(ディモート)」と合同で、想定した場面でそれぞれの役割を演じながら被災者家族への対応を学んだ。

 訓練は、連日の豪雨による水害で土砂崩れが発生し、死者、行方不明者が出たと想定。遺族が遺体と初めて対面し、引き渡す場面を再現した。各課の犯罪被害者支援要員を含む27人、一般社団法人日本DMORTの7人が参加した。

 妻、娘が被害に遭うなどの3パターンを想定。遺体との対面時に取り乱す当事者をなだめ、落ち着いてから損傷部位などの状況説明をするなど冷静に対処した。

 遺族が複数いるときには、遺族同士で責め合うことがあるという。訓練でもそうした場面を設定し、「ちょっと席を外されますか」と声をかけ、お互いの距離を離すなど適切な対応を取った。

 日本DMORTの黒川雅代子理事は「実際の現場でも、声を上げている遺族の一人に集中してしまいがちですが、二手に分かれるのが良い対応です。説明など事務的なことを優先せず、しっかりと遺族の質問に答えて、気を落ち着かせようとしているのが素晴らしかった」と評価した。

 担当警察官役で参加した生活安全課の関一穗巡査部長(29)は、「安易に『気持ちがわかる』といった言葉は避けて、冷静になることを心掛けました。遺族同士での衝突は想定していなかったことなので、経験できてよかったです。遺族に寄り添うことを第一に対応したい」と話していた。

 水害時の福知山署の移転訓練も行った。

 

写真=遺族に寄り添いながら対応する警察官ら

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