生徒が開発した商品が販売可能に 加工品は学校の内外で好評 福高三和分校
2022年09月10日 のニュース
京都府福知山市三和町千束、府立福知山高校三和分校(大久保博之副校長)に、食品加工室ができた。保健所の審査が通り、2学期から本格的に稼働。下ごしらえがしてある野菜セット「したるさかいに」を中心に、家政科の生徒が加工品を手作りしていて、校内や校外のイベント時に販売し、好評を得ている。
学校産野菜有効に利用
調理室はこれまでからあり、家政科の生徒が料理を作って、校内で食べることはあったが、営業許可の要件を満たしておらず、加工品の製造、販売はできなかった。
「自分たちで作った加工品を販売することは、生徒の自信や成長に必ずつながる」との思いから、整備費約1500万円かけて農工具室を改修し、食品加工室を整備することにした。
府の府立高校産業教育デジタル化事業を活用し、今年4月に完成した。広さは36平方メートルで、最新式の野菜乾燥機やオーブン、瞬間冷却器などを設置。来校した人が調理過程を見ることができるように、入り口はガラス張りになっている。
現在は、形や大きさがふぞろいだったり、一部に傷があったりして、販売できない学校産の野菜を使った「したるさかいに」を中心に製造している。食品ロスを防ぐ観点から、生徒たちが考案した。
内容は、ピーマンをカツオ節のだしで炊き、しょうゆ、砂糖で薄く味付けしたもの、昆布だしでジャガイモとタマネギを炊き、手軽に肉じゃがなどが作れるようにしたものなど、種類は豊富。8月31日に行った京都府庁での野菜販売会などで、200円で販売した。
このほか、シナモンロール、ブルーベリーの2種類のパン、プリンなども開発。このうちパンは、7日に同校で開かれた野菜苗の販売会で並べ、多くの人が買い求めた。
家政科2年の大田亜美さんは「そのまま販売できない野菜を使った商品は、今後もたくさん開発し、食品ロスの防止につなげたい。また三和分校産の野菜を使った商品を販売することで、学校のことを多くの人に知ってもらえる機会になれば」と話している。
写真上=本格稼働が始まった食品加工室
写真下=下ごしらえ済みで、料理が楽になると評判の「したるさかいに」