「刺し身が一番」 伝統製法の雲原コンニャク

2023年11月18日 のニュース

 京都府福知山市雲原地区で、名物「雲原コンニャク」作りの時期を迎えている。60~80代の地元女性13人が、地区内の加工場に集まり、心を込めて昔ながらの製法で一つずつ手作り。「刺し身で食べてもらうのが一番。しょうゆ、酢味噌などでお試しください」と呼びかける。

 冬場の仕事として、各家庭で作られてきた雲原コンニャクは、後継者不足などで一時期途絶えたが、地域に活力を生み出そうと、2010年に女性たちが伝統の味を復活させるために立ち上がった。シーズンは例年11月から3月ごろまで。今年は10月末から作業を始めた。

 原材料のコンニャクイモは地場産の3年もの、固めるための灰汁はソバ殻の灰を使用する。下ゆでして皮をむいたあと、雲原の水と一緒にミキサーにかける。灰汁を混ぜて寝かせ、手で丸めたあと、おくどさん(かまど)の熱湯でゆがき、冷水で締めて仕上げる。

 作業は4班に分かれて毎週1回行う。17日は4人が午前8時30分に集合。まきをくべた煙の匂いや湯気が充満するなか、8・5キロのコンニャクイモを使い、「おいしくなぁれ」と思いを込めて一つずつ丸めた。寒さの中で冷水を使う作業もあるが、「冬の私たちの楽しみなんです」と、和気あいあいとした雰囲気で手を動かした。

 19日午前10時から午後2時30分まで、北陵コミセン体育館で開かれる北陵地域公民館まつりで販売するほか、毎週日曜日に開店する北陵うまいもん市雲原店でも取り扱っている。作業のピークは12月後半で、正月用に購入する人が多いという。近年はテレビでも取り上げられ、大阪府など遠方からの注文も入っている。

 1袋2個入り(400グラム)400円。電話注文は午後5時以降、北陵うまいもん市雲原店の中村店長、携帯電話090・3284・8812で受け付ける。

 メンバーの鎌田玲子さん(70)は「おくどさんのまきは地元の男性陣に準備してもらうなど地域ぐるみの取り組みです。例年は3月ごろまで販売しますが、今年は猛暑などの影響でコンニャクイモの収量が例年よりも減っていて、売り切れ次第終了しますのでご注意ください。味はいつも通り抜群です。ぜひ、食べてみてください」と話している。

 

写真(クリックで拡大)=おくどさんでコンニャクをゆでる

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