福井豪雨災害、被災現場まで2時間歩き被災調査 国交省福知山の4人
2022年08月27日 のニュース

8月上旬の豪雨で大きな被害を受けた福井県南越前町に、国土交通省の緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)の一員として派遣され、被災状況の調査にあたった近畿地方整備局福知山河川国道事務所(犬丸潤所長)=福知山市蛇ケ端=の職員4人がこのほど帰任。現地の様子や早期復旧のために活動してきた内容など、災害時の教訓を、両丹日日新聞の取材に答えた。
南越前町は5日、記録的な豪雨に見舞われ、24時間降雨量が401・5ミリと、観測史上最多を記録。川の氾濫で多くの民家が床上浸水し、土砂災害で道路が寸断されるなど、甚大な被害を受けた。
被災状況を把握し、復旧方法を検討するため、福知山事務所から同町へは、大枝千晋・総括保全対策官(55)ら4人が派遣された。

9日から15日まで現地で活動し、別の事務所から派遣された隊員と地区や役割を分担。4人は主に赤萩、河内、大良地区で、道路と河川の被災状況などを調査した。
河内、赤萩地区では、河野川の急激な増水で護岸、路肩が洗掘され、延長36・5メートルにわたって崩落した箇所など、計20カ所の状況を確認。どのような工法で復旧するのがベストかを検討し、復旧にかかる費用を算出した。
土石流が発生して自動車で行けない場所での調査は、2時間ほど歩いて現場に向かうことも。体力的につらい部分はあったが、「活動が早期復旧につながれば」との思いで奮闘。最終日の15日には、南越前町の岩倉光弘町長に報告し、感謝されたという。
4人は「床上浸水した家屋で、泥のかきだし作業や使えなくなった家具を運ぶ住民の姿を目にし、自分たちにできることを全力で行ってきました。この経験は、福知山で災害が発生した際などにも生かしたい」と、活動を振り返っていた。
写真上=護岸が崩落した箇所などを調査した
写真下=南越前町での活動を振り返る4人