能登半島地震 「被災地では今も過酷な状況」 1次隊が市長に活動報告

2024年01月12日 のニュース

 1日に発生した「令和6年能登半島地震」の被災地・石川県で救助・救援活動を行い、京都府福知山市に戻ってきた消防隊員、医師、看護師ら計8人が11日、福知山市役所で大橋一夫市長に活動報告をした。現地の惨状や活動内容を説明し、被災地では今も過酷な状況が続いていることを伝えた。
 市消防本部からは1日夜に第1次隊(消火隊4人、後方支援隊2人)、4日朝に第2次隊(同)が被災地に向け出動し、緊急消防援助隊・京都府大隊として石川県珠洲市で救助活動を行った。

 第1次隊として出動した吉良文雄司令(50)が、通行可能な道路を探しながら、渋滞も発生していたため、約50時間かけて能登半島の先端にある珠洲市に入ったことを説明。救出活動の前線に立った第1次隊の消火隊長、牧野孝昭司令補(44)と2次隊の消火隊長、岸本航也司令(49)が、京都府大隊として計8人の要救助者を救出(生存者2人)したことを報告した。

 医師1人、看護師3人で組織した市民病院DMAT(災害派遣医療チーム)隊は、金沢市にある石川県立中央病院に設けられた活動拠点本部に合流。4日夕方から7日午前中まで、被災地から搬送されてくる傷病者を、金沢市内の病院に振り分ける搬送調整や各病院ができる診療のリスト化など、災害直後で混乱する医療現場を支えた。

 北川昌洋医師(49)は「普段とは異なる状況で戸惑いもあったが、それぞれが自分にできることに尽力し、与えられた使命を果たしたと思う」などと話した。

強い余震が続く中、懸命に救助活動

 報告会のあと、消防隊員たちは両丹日日新聞社などの取材に応じた。

 派遣隊は珠洲市役所周辺の住宅密集地や山間部の集落などで活動を行った。福知山市消防本部の主な役割は、安全管理や資機材の搬送のほか、亡くなった人を家屋から運び出す際に、目隠しとなるブルーシートを持つ役割なども担った。

 4日午前に1次隊が倒壊家屋の梁の下敷きになった高齢女性1人を救出したが、すでに死亡していた。救助に関わった牧野司令補は「待たれているご家族の方もいたので、できる限りきれいな姿で帰してあげたいという一心だった」と涙ぐみながら振り返った。

 亡くなった人がいる一方、第2次隊は地震発生から約124時間が経過した6日夜、市内の倒壊家屋から90代女性の救出現場に立ち会うなどもした。

 被災地では水道や電気が使えず、強い余震が続く中、隊員らは懸命に活動を続けた。岸本司令は「一人でも多くの人を救出するということはもちろんですが、隊長として、隊員全員を無事に福知山に帰すことを常に考えていた」と力を込めて語った。

 また、「福知山に戻る途中で立ち寄ったトイレで、普通に水が流れることに本当に感動した」とも話し、今もライフラインが断たれたままの被災地を思いやった。

第4次隊が活動中

 市消防本部からは第3次隊が7日から11日まで活動。現在も6人が、第4次隊として現地で救助活動を行っていて、今後も隊員が派遣される予定となっている。


写真(クリックで拡大)=地震発生から124時間後に90代女性が救出された現場(市消防本部提供)
写真(クリックで拡大)=地図を広げ活動報告する北川医師(左)と消防隊員ら

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