鶏肉の生焼けは絶対駄目-京都府北部で食中毒注意報多発
2022年08月23日 のニュース
毎年暑い時期(7月1日~9月30日)に京都府が発令する食中毒注意報が、今年度は府北部で多発していて、22日午前10時に9回目が出された。すでに昨年度総数の4・5倍となっている。暦の上ではもう秋だが、まだ暑さは続く見込みで予断を許さない。福知山市衛生協会の友繁諭会長に食中毒予防に関する話を聞いた。
注意報は、食中毒が発生しやすい高温・多湿の気象条件になった時に発令される。
一般家庭で注意してほしい食中毒について友繁会長は、まず鶏肉の生食によるカンピロバクターと魚介類によるアニサキスを挙げる。
新型コロナウイルス禍のキャンプブームで、鶏肉を屋外で調理する機会が増えていて、生食や加熱不十分のカンピロバクターが全国的に多発している。友繁会長は「カンピロバクターがいた場合、生焼けでは増殖を止められないのでしっかりと焼いて食べてほしい」と助言する。
アニサキスはサバ、アジ、イカ、イワシなどの天然魚介類に多くみられる。2~3センチ程度のミミズのような形状で白く、目視で確認できる場合があるといい、その時は取り除く。抜本対策としては焼くか、「二晩ほど冷凍庫で寝かしておけば死滅できます」。
■「自主衛生管理の店」周知で食の安全を■
同協会は、市内の飲食店など食品関係192事業所を正会員にして、食品の自主衛生管理の推進事業に取り組んでいる。
重点活動の一つが、食品を扱う店の従業員を対象に実施している保菌検査。食中毒の原因となる赤痢、サルモネラ、O157などの菌を、従業員らが体内に保有していないかを検便で調べる。
協会は会員以外の事業所にも呼びかけ、検査を受けた店に「自主衛生管理の店」と書いたステッカーを渡し、店舗の目につきやすい場所に掲示してもらうようにしている。
友繁会長は「ステッカーの有無で自主衛生管理意識の高い店かどうかの判断材料にしてほしい。市民のみなさんの関心が高まり、周知されていくことで『検査を受けなければいけない』と考える店舗が増えて、食のさらなる安全につなげたい」と話す。
写真上=キャンプブームで鶏肉の野外調理も人気だが
写真下=食中毒予防について語る友繁会長