助産師目指す学生たちが「産屋」を見学 三和でお産の歴史を学習
2022年08月01日 のニュース

安産の神様として信仰を集める京都府福知山市三和町大原の大原神社(林秀俊宮司)に29日、京都府医師会看護専門学校助産学科の学生が訪れ、神社近くにある府指定有形民俗文化財の産屋(うぶや)を見学した。かつて妊婦が産屋で出産したことなど、林宮司から説明を受け、熱心に耳を傾けた。
お産の文化や歴史を学ぶ機会にと、助産師をめざす学生たちが、授業の一環で毎年訪れている。昨年、一昨年は新型コロナウイルスの影響で中止し、今年は3年ぶりの実施。20代と30代の学生20人が見学した。
林宮司は、産屋は300年以上前からあって、地域の人が出産時に一週間こもってお産をしたことなどを説明。また「昔は夫の両親と同居するのが当たり前で、産屋ではしゅうとめとの関係などを考えず、夫婦で気兼ねなく過ごせるため、心が休まる場所だったといいます」と解説した。
学生たちは、実際に産屋の中にも入り、当時のお産の雰囲気を肌で感じ取った。大槻愛美さん(24)=前田=は「衛生面を考えると、産屋での出産は今では考えられないけど、当時は神聖な場所で、必要とされていたことが分かりました。お産の歴史を学ぶことができ、勉強になりました」と話していた。
このあと神社の本殿に移動し、これから出会う妊婦の安産、来年2月にある国家試験の合格などを祈願していた。
写真=産屋についての解説に耳を傾けた