お城の近くでサギが子育て準備 川に挟まれた明智薮に60羽
2022年04月19日 のニュース
京都府福知山市内の由良川に架かる音無瀬橋上流の雑木林、明智藪(蛇ケ端御藪)で、水鳥の仲間のサギが飛び交い、子育ての準備を始めている。
由良川と支流の法川との合流点付近にある明智藪は、福知山城のすぐ近くだが、手つかずの自然が残る貴重な場所。サギにとっては餌となる魚がいる川が近くにあるため、営巣地となっている。
藪に生息するサギはダイサギ、アオサギ、コサギなどで、計約60羽いるとみられる。明智藪は人が立ち入りにくい所だが、サギたちはヘビなどの外敵が近付かないように、藪のてっぺん付近に巣を作ることが多い。
つがいとみられるサギが、小枝を口にくわえて運び、巣作りに励む。前に使われた巣を、ちゃっかりと再利用するものもいる。
市自然科学協力員会会員の森方徹さん(75)は「今年は冬の寒さが厳しかったが、このところ急に暖かくなったので産卵している親鳥もいて、すでにひながかえっている可能性もあります」と言う。
子育ては6月下旬から7月上旬ごろまで続くとされ、森方さんは「以前は筈巻でもコロニー(集団繁殖地)がありましたが、人が近付くことができたためサギが来なくなりました。明智藪は市街地の目の前ではありますが、川と川の間にあり、人との距離が十分に保たれています。サギのふんで木が枯れない限り、コロニーは無くならないと思います」とみている。
写真=木のてっぺんに止まるサギ